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ツイスト・ペア・ケーブル
(twisted pair cable)

導体を撚り合わせることは、次のような利点を持つ：

• 平衡度が改善され、不平衡に伴う信号品質の劣化が低減される

• ノーマルモード電流によって生じる磁界の方向が、 撚りに伴って反転し、互いに打ち消し合うことから、エミッションが低減される。

• 外部の磁界によってワイヤに誘起する電圧の極性が撚りに伴って反転し、 互いに打ち消し合うことから、信号への悪影響が低減され、イミュニティが向上する

• ケーブル内のペア間での、 また近傍の他のケーブルとのあいだのクロストーク (漏話) が低減される

このような利点のため、ツイスト・ペア・ケーブルは、例えば、電話網のような長距離通信や、 Ethernet や USB などのデジタル通信のための媒体として、広く用いられている。

Ethernet などで用いられているツイスト・ペア・ケーブルは、 Cat.5、Cat.5e、Cat.6 などと呼ばれるいくつかのカテゴリーに分けられ、 それぞれについて特性インピーダンス などの特性が規定されており、 これは平衡度に関する規定を含むこともある。 また、シールドの有無により、 UTP (unshielded twisted pair; 非シールド撚り対線)、 STP (shielded twisted pair; シールド付き撚り対線)、 FTP (foil shielded twisted pair; 金属箔シールド付き撚り対線) などと呼ばれる。

不平衡伝送の場合も、 ペアとなる信号線 (あるいは信号線とグランドや電源の線) をツイストすることで 信号品質や EMC を有意に改善できることが多い。 IEEE 1284 や GP-IB では、信号線とグランド線とツイストすることが標準となっている。

by Tom Sato, 2008-04-20