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「Which?」によれば、CE マーキングはその製品が安全であることを意味していない

弁明

10月1日の「Which?」に発表された記事は、 広く流通している製品に対する極めて厳しい見解を与えている： しかし、それは正しく、公正なものであるだろうか？

この答えは、両方とも強調された「Yes」である。 「Which?」は、サンプルされ、分析された製品の３分の１が 「危険であり、深刻な傷害を与える恐れがある」と主張し、 「必須安全要求に適合しない製品が店頭まで届いており、 CE マーキングは失敗しつつつある」と結論している。 これは非常に力強い言葉であり、そのペナルティは厳しいものであるので、 全ての電気機器や電子機器の「製造者」は恐怖を抱くべきである。

多くの「製造者」は、製品安全は御しやすく、強制されず、 また数千ポンドの罰金は小さいと、誤って信じている ―― それゆえに、彼らはたまに罰を受けることを受け入れて 適合性を示すコストを節約した方が安上がりだろうと信じている。 これは大きな過ちである。 強制措置 (エンフォースメント) は増加しており、 影響のある製品の強制リコールの費用は莫大なものである： リコール活動のコスト、「欠陥」商品に対する払い戻しの金額、 そして公衆からの信用の失墜。

個人的なレベルで ―― 「Acme Electronic Products Inc.」が 彼らが過去３年間に販売した洗濯機に我々の家を焼き尽くし、 あるいは我々の家族を電気処刑するような「品質」の問題があることを 警告する新聞の全面公告は、我々に感銘を与えるだろうか？ おそらく、検討すべき別の質問は、 我々が購入しようとしたときにその製造者から買おうとするか、というものであろう。

「過ち」のコストは莫大である！

このレポートに驚くべきだろうか？ この状況は新しいものであろうか？ この場合、双方の質問の答えは「No」である。 説明させて欲しい。

1996年のロンドンでの討論会に 標準化団体の代表や他のコンサルタント達と共に出席していた時に、 中小企業の製品安全設計に対する配慮についてどう考えるかを尋ねられた。 これに対する私の答えは、私がレビューした百個以上のもの ――第三者のテスト・ハウスで評価されていないもの―― の全てが所定の安全規格への適合に不合格であったというものであった。 さらに、それらの不適合の製品のいくつかは、潜在的に致命的なものであった。 この観察 ――聴衆には人気がなかったものの―― は、 壇上の BSI の代表者に支持された。

今年の初めに、私は多数の顧客を代表して、 市場に出ている多数の欠陥製品についての心配を DTI に伝えた。 以下の例は、その手紙に示したものである：

1. アメリカの業者から供給された、過熱するトランスを持った、 感電や火災の危険のあるモデム。

2. 主電源入力とその電源装置からの 24V の出力のあいだに 適切な沿面距離、及び空間距離を持たない、 工業用途での使用を意図したプログラマブル・ロジック・コントローラ。

3. 輸入された、「230V」定格の、適合宣言書と共に供給された、 CE マークの付けられたモーター。 ルーチン試験で、我々は 150℃を超える巻線温度を測定した。 設計オフィスとの電話での議論は、 そのモーターは AC 220V で動作させるために設計され、 AC 255V では試験されたことがなく、 巻線温度は 200℃ を超える可能性があることを明らかにした。 その温度は絶縁の設計限界を超えており、 従って感電と潜在的な火災の危険の双方がもたらされる。

4. 単一故障状態において PC の出力をライブにさせ得る、 家庭用 PC 市場を想定した多数の電源装置。

何が間違っているのか？

1. CE マークが付けられているか？
2. その適合宣言書は適切な整合規格を参照しているか？
3. Competent Body スタイルの試験報告書があるか？
4. その試験報告書はその製品が規格を満足していると言明しているか？
5. 適合性を保証するための適切な製造管理が為されているか？

人騒がせなことをしようとするつもりはないが、 私は最初のページで「このサンプルは EN60204 に適合していない」 と明確に述べている TUV Product Safety の報告書に基づいて 署名され、発行されている適合宣言書を見たことがある。

我々がこの走路にいるあいだに、ISO 9000 製造システムでさえも、 それから出てくる製品が安全であることを保証しないということも憶えて欲しい！ 製品安全製造管理は 「プロセス空間」ではなく「製品空間」で行なわなければならない ―― このシリーズの最初の論文、 GKCL01 はこれを詳細に解説している。 もし製品設計が不適合であれば、ISO 認証は 製造された全ての個体が LVD への適合に不合格となることを保証するだけである！

最低のラインは、適合性は自然に達成されることはないということである ―― それは管理され、計画されなければならない。 そして、「計画に失敗することは、失敗を計画することだ」 という昔からの言葉を覚えておくこと。

誰が非難を受け、誰が我慢するか

誰が我慢するか ―― 被害を受け、黙っている人々 ―― しかし、我々の産業界が「その行動を一掃する」までは、 避けられた筈の設計のやり直し、あるいはリコール活動による利潤の低下を、 我々全てが我慢することになるであろう。

これを正すために

1. 製品安全を「所有」する「チャンピオン」を任命すること。 これは、通常はその活動を管理する責任 (そして予算) を持った委員会のメンバーである。

2. 日々の製品安全適合性の中心となる「有資格者」を任命すること。

3. その有資格者に訓練と外部のサポートを与えること。

4. 設計レビューに製品安全を含めること。

5. 次の論文 ――GKCL07―― で示す「黄金律」に従うこと。

6. 誤りがあり、対処が必要である時に、「No」と言うことに備えること。

7. 物事が受け入れ可能であろうと仮定しないこと ―― 証明の要求。

8. 変化が一夜で起きないこと、人は過ちを犯すこと、 これが「改善」のプロセスであること、そしてそれには時間を要することを 受け入れることを学ぶこと。

9. あなたの企業が自立するために必要なサポートをする、 外部のテスト・ハウスやコンサルタントと共に作業すること ―― 少数の企業のみが内部に必要なスキルを持つので、 おそらくあなたは外部の支援を必要とするであろう。

10. 訓練を継続すること ―― 少しづつ頻繁に、が鍵である ―― 成功したアスリートは規則的に訓練を行なう：成功した技術者もそうせよ。

11. 対費用効果の良い製造管理を採用すること ―― 「製品」をチェックしなければならないことを忘れないこと： 品質プロセスは大半の電気製品の製品安全の観点からはやや不適切である。

これらは、我々の産業を生き残らせたい ―― そして我々を雇い続けさせたい ―― と思うのであれば我々が為さねばならない作業の一部に過ぎない。

結論

基準適合性がその文化の一部であり、 その内部の「自己アセスメント」や「自己宣言」のプロセスが信頼できる組織を作るためには、 何ヵ月も要するであろう。 それは偶発的に起きはしない ―― そしてトップ・レベルの誓約なしに達成することはできない。 しかし、それは産業界での生き残りのための唯一の道である ―― そして大半の企業は単に生き残ること以上のものを望んでいる。

関連する費用がある： しかし、この費用は最初に新製品を設計する費用と較べて取るに足らないものである： そして、これは過ちを犯し、数年分の欠陥商品のリコール、改修、 もしくは「買い戻し」を強制された際のコストと較べればささいなものである。

最後に ―― 非常に頻繁に尋ねられる質問は 「私の会社が基準適合性を真剣に取らないならば、私は何をするか？」 というものである。

その答えとして、 私は大抵「それならば、顧客は『それ』をどの程度真剣に考えるか？」と尋ねる。

次の論文

これは、Gregg Kervill 氏が UK EMC Journal 上で発表した文書を、 その許諾を得て T. Sato が翻訳したものです。 これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: November 25, 1999