バナナの皮 ― Issue 53

速度検出カメラの EMC 問題が Victoria 政府に 3000万オーストラリア・ドルの費用を費させた。オーストラリアの Victoria 州政府は、その固定式デジタル速度検出カメラに対して特別調査を実施した。これは、その誤った読みと正しくない違反通知に関する懸念が出された後で司法省によって行なわれた、その固定式デジタル速度検出カメラの第三者試験の報告に続くものである。オン・サイト試験において、技術的調査と EMC 試験は過大な読みと過小な読みの双方の発生を示した。この誤った読みは、電磁干渉、拙劣な設置と保守、そして路面下のセンサの劣化に伴うものであった。
この誤った速度の読みは罰金と運転免許の取り消しを引き起こしており、これは州の交通管理計測やその他の法執行活動全般に用いられている電子機器の信頼性に関する疑問をもたらした。運転免許を取り消された多くの運転者は、損害とそれに伴う損失に関して州を訴えると脅している。州政府は、運転者に課された罰金を弁済し、またその欠陥のあるカメラによるペナルティに伴う免許停止による損失に対する請求を補償するために、おおよそ 3000万オーストラリア・ドルを割り当てた。政府は、その都市の道路網の 41台の固定式カメラの交換、あるいは改善のための費用にも直面するであろう。
(From Chris Zombolas, EMC Technologies Pty Ltd., Melbourne, Australia. Also see: Media release From the Premier of Victoria, Friday, 14 May 2004: "Government acts on fixed speed cameras"; http://www.justice.vic.gov.au/speedcameras; and Melbourne Age, 15 May 2004: "$26 million Speed Payout".)
Airwave と呼ばれる新しい緊急サービス無線システムがテレビ受信への干渉に関して責められたが、その問題が生じた所では家庭用アンテナ増幅器に欠点があった。通商産業大臣の Steven Timms は、議会の書面による回答で次のように述べた：「OFCOM は Airwave 無線基地局から家庭用設備への干渉の事例に留意している。調査された全ての例で、消費者の柱上増幅器 ---弱い信号をブーストするために用いられている--- が、テレビ信号を、そして不要な無線通信信号 (Airwave からの --- 編集者) をブーストするために充分に広い通過帯域を持っていた。」
Airwave は、警察、及び公共安全通信のために、既存の周波数が失効するであろう 2005年中に完了の予定で Great Britain 中でロール・アウトされている。それは、ETSI で承認された TETRA (Terrestrial Trunked Radio) 標準に基づいたデジタル・システムである。
Timms 氏は、次のように続けた：「試験は、その TETRA 送信器が、正しく、かつその割り当てられた免許パラメータ内で動作していたことを示した。ほとんどの場合、柱上増幅器とテレビ・アンテナのあいだに取り付けられた適切なフィルタが干渉を解消するであろうし、関係する住民はそのようなフィルタを取り付けるようにアドバイスされた。友好的なゼスチャーとして、Airwave は特定の環境の影響を受けたテレビ設備にフィルタを取り付けるように取り計らった。」
("Aerial amplifiers cause Tetra TV interference" from the IEE's EMC Professional Network's "EMC Industry News 2004-01-15", 18th January 2004, http://www.iee.org. TETRA has also caused significant problems for radio activated vehicle security systems, see Banana Skin No. 54. Other Banana Skins that mention TETRA are: 121, 122, 124, 252, 255 and 277.)
連邦通信委員会 (FCC) の執行局は、その放射性エミッションが米国の限度を超える電子オルガンを米国へ輸入し、販売したことに関して、あるオランダの企業に罰金を課した。その企業、Johannus Orgelbouw b.v. of the Netherlands は 7000米ドルの罰金を課され、今後２年間にわたって、米国に輸入するそれぞれの機種のオルガンに関する検証記録を FCC に送付するように命じられた。
そのエミッションを生じているデジタル電子オルガンの件は、 FCC 規制に適合しないことによって製品をより安価に生産できる他のオルガン会社が競争上の害を生じていると主張した競合会社によって、2003年所期に執行局の視野に入った。引き続いての FCC の機関による調査において、その企業は FCC エミッション限度に適合していない少なくとも１機種のオルガンを輸入し、販売したことを認め、委員会のアクションという結果となった。
(From "FCC Fines Importer of Non-Compliant Electronic Organs", Conformity, News Breaks, February 2004, pp 42-43, http://www.conformity.com.)
かつて、Bahamas 電話料金センターのトランザクションが 175,000米ドル／日に過ぎなかった頃、我々の施設の安全管理者が真新しい、ブランド品の RF フィールド強度計を持って、定例の巡回を行なっていた。彼は、施設内の電界が常に 10 mW/sq.cm (194 V/m) の許容された最大値以内にあることを確かとすることを望んでいた。結局のところ、我々の会社は、そこで働いている誰かを偶発的に料理してしまうことを望んでいなかった。
オペレータのコンソールにおいて画像表示装置 (VDU) によって生じさせられるフィールドがこの最大値を超えることに、その安全技術者は驚かされた。手早い計算は、測定されたフィールド強度が 300 V/m を超えていることを示した。彼は誰かを呼んだか？彼はどうしたらそんなことが起こり得るのかを尋ねたか？勿論、そうしなかった！良い安全管理者として、労働者のことを本当に心配して、彼はその電話料金センターを即座に閉鎖した。その後、彼は彼が見付けたことを報告した。その後、彼の上司は会社の首脳に連絡し、彼らは私の上司に、また我々が世界中に配置していた他の６つの EMC 機関に連絡した。そして、私を含む７人の EMC 技術者は、この深刻な問題を解決するために即座に Bahamas に派遣された。 175,000ドル／日のために、これを素早くやる多くの動機があった。
我々は機敏だったが、それでも同時には到着しなかった。しかし、我々がそうした時、その真新しい、ブランド品の RF フィールド強度メータが 15kHz の VDU ラスター掃引周波数に影響され易いことを最初の EMC 技術者が既に見出していたことを知り、その料金センターは稼働状態に戻された。勿論、近所のある場所での然るべきお祝いが必要となった --- だが、これは別の話である！
("A really short `vacation' in the Bahamas", Ron Brewer, IEEE EMC Society Newsletter, Spring 2004, `Chapter Chatter' section, page 8.)

これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を T. Sato が翻訳したものです。この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: 2004-12-10

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