バナナの皮 ― Issue 40

私の BMW 330Ci がロックされている時、 ――そのアンテナ・ディッシュから 30フィート離れて駐車しているにも関わらず―― それは私のデジタル・テレビ・サービスに干渉を生じる。私の家内のメルセデス・ベンツは、どこに駐車してもこれを引き起こさない。私は彼女のベンツを X5 に交換しようと思ったが、道路に同時に駐車している２台の BMW は私の夕べの楽しみをひどく邪魔するかも知れない。費用を費してそのアンテナを移動させられるのは確かであろうが、そうする必要はない筈である。
E-mail の返信：数年前に強制となった電磁干渉に関する EC 指令がある。あなたの自動車の緊急不動化システムとディッシュ・アンテナ／テレビ受信器のいずれかがそれに従っていない。
(Honest John's Agony column, Daily Telegraph Motoring Section, Saturday 30/03/2002, page 10)
その一方のレーダー・ビームが他方の操舵を不能とした時に、２隻の軍艦が衝突しそうになった。その掃海挺 HMAS Huon は制御から外れ、フリゲート艦 HMAS Anzac の船首を横切るように転進した。監査将校の先週の報告によれば、 Huon ――６隻の最新鋭の沿岸掃海挺の最初のもの―― は Anzac からの電磁干渉 (EMI) の結果として操舵性を喪失し、フリゲート艦の前面 (すぐ近く) を通過した。この未報告だった事故は 2000年 6月にそれらの軍艦がシンガポールに向けて航海している時に発生した。その異常接近は、特に海軍において部分的にしか試験されていないシステムの設置をもたらしている新しい防衛機器の試験と評価の不足を強調するために、 Australian National Audit Office (ANAO) の報告で用いられた。「この事故は、新しいプラットホームを防衛演習に組み入れる前の、開発試験／評価の際の EMI 試験の適切さに関する疑問に気付かせた」とその報告は言明した。その ANAO の報告は、そのような試験は高価であって決して費用効果が良いものでなないという Defence Department の主張を斥け、それが危険となる前にリスクを低減できるように、試験／評価は可能な限り早期に実施されるべきであると述べている。「極端な場合には、不適切な試験／評価は悲惨な結果を持ち得る」とその報告は述べている。
(Extracted from "Loose radar blips nearly sink ships" by Wayne Smith, Friday February 1st 2002, sent in by Chris Zombolas of EMC Technologies Pty Ltd, Melbourne, Australia, March 2002.)
現在、米国内の機器はどのような EMC 規格に適合する必要もない。米国の機器製造業者らは国内で使用される製品を EMI 抑制を何ら考慮することなく生産できる (そしてそうしている) が、米国での EMC 問題はどの程度深刻だろうか？この問題の全てを知ることは難しいが、いくつかの例が我々の注意を引いた。例えば、新しい 2.4GHz 携帯電話は特定のモデルの洗濯機が動いている洗濯室の近くでは機能しないであろう。この問題は、それらの携帯電話をそれらの洗濯機の近くで使わないことで容易に対処できる。やや不便だが、許容できないものではない。他の例では、電子レンジを輸入販売しているある企業がそれらの電子レンジのいくつかが勝手に動作したという苦情の調査を我々に依頼したことがある。その原因は、電源ラインのサージ ――おそらくは空調システムが入れられた際に発生するもの―― であった。その解決は単純なものではなく、ユニットを回収してハードウェアとソフトウェアの修正を加えることを必要とした。この場合は、その機器の電子回路の感受性が安全上の危険を生じたため、そのコストを要する対処は必要であった。欧州においては EMC 問題は既存の EMC 指令によって管理され続けるであろうから、欧州の製造業者らは EMC 適合性のある次世代の製品の設計と開発に熟練し続けるであろう。ここにはそのような指令はないので、米国の製造業者らは、スマートなネットワーク化された機器のためのより EMC 親和性の高い環境を確保するために、良い EMC プラクティスを学ぶ必要があるだろう。
(Extracted from "Smart Appliances and EMC - Good EMC practices necessary to prevent smart homes from being chaotic homes" by Nissen Isakov, president of LCR Electronics, Norristown, Pa. USA, writing in Appliance Manufacturer magazine, March 2002 issue, pages 16-17.)
より多くの電子機器の存在は、外部で発生する電磁干渉 (EMI)、そして車両内のシステム ――近傍の、あるいは接続された―― が発生する EMI による、より多くのリスクを意味する。その影響は実に深刻なものと成り得る。「欧州の高速道路の特定のオーバーパスで、その制御ユニットが、特にその道路の下の高圧線からの高レベルの EMI を受けた際に、ある種の車両のエンジンがシャットオフした」と David Ladd は報告した。彼は、電磁的適合性テスト・ラボを運営している Siemens VDO Automotive (Auburn Hills, Mich., USA) の報道担当マネージャである。「これらの問題は、その車両の生産に入る前に同定し、修正しなければならない」と彼は強調した。これらのリスクによって、自動車産業はその要求を再評価し、新しい EMI 源に対して試験している。供給者らはエンジン制御ユニット開発の初期段階における潜在的リスクの管理の専門技術の発展にさらに依存するようになっている、と Ladd はコメントした。そして、光ファイバー・データバスの使用の増加は、 EMI 問題のあり得る発生源の１つを除去しつつある。
(Extracted from "Can you trust your car?" by Ivan Berger, Contributing Editor, IEEE Spectrum, April 2002, pp41-45.)
それは、1960年台後期から 1970年台中期 (これは、古き良きキャブレータ式アメリカ式 V8 がまだここでの基準であった頃である) に様々な欧州製の自動車で OEM 機器として用いられていた Bosch のオリジナルの「Jetronic」電子噴射システムの弱点を思い出させた。普通のやり口は、 CB 無線に (違法な) 50W 送信ブースターを取り付けた連中が Bosch 噴射の VW や Volvo などの横を走り、そのドライバーの注意を引くためにクラクションを鳴らし、その人に CB のマイクを見せるように持ち、それから (見せつけるように) 送信器を作動させるというものであった。「被害者」の自動車の噴射システムは即座に停止し、送信器が切られるまでその自動車は死ぬだろう！そう、それが EMI 感受性だ！
(Extracted from a posting on emc-pstc in the thread: "Re: Automotive standards" by Bob Wilson of Vancouver on 5th April 2002.)
出来の良くない大きなトランスやソレノイドを取り上げ、そのコアを機器のハウジングに向けて強く押せば、近傍では 0.7mT を遥かに超えるであろう。列車 (0.7mT) から数メートルではそれほど起こりやすくはないが、あり得ないことではない。これらの値は、架空電力線からの磁界の危険について次に読む時に念頭に置くべきである。私は溶接器がトランスの上に置かれた施設の建設を何回か見たことがあるが、蝿などを落とす溶接器を見たことはない。
(Extracted from a posting on emc-pstc in the thread: "Re: Teslars?" by Nick Rouse on the 8th February 2002).

これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を T. Sato が翻訳したものです。この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: 2002-05-05

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