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バナナの皮 ― XX

120. EMC がいかにして数百万ドルを節約したか。
     オーストラリアの新しいシリーズの紙幣には、 プラスチック・フィルムが埋め込まれて RF 溶着されている。 この新紙幣の生産ラインが最初に使用された時、 その RF 溶着機からのエミッションが他の印刷機を誤動作させ、多数の紙幣を駄目にした。 彼らは私を呼び、私はその問題を解決して彼らの生産性を向上させ、 また彼らが数百万ドル分の印刷に失敗したドルを燃やすことから救った！

     (From Chris Zombolas, EMC Technologies Pty Ltd, Melbourne, Australia)

121. 警察用周波数が病院を混乱させる。
     携帯電話が航法システムや旅客機上の電子機器に干渉し得ることの確認に続いて、 それが重要な医療用機器、そして呼気判定装置やレーダー速度計へ干渉するという危惧の中で、 UK の 25億ポンドの新しい警察無線ネットワークが緊急に試験されたというニュースが届いた。 それが確認されるまで、警察はその新しい無線機を 病院内やその他の重要な機器の近くでは切るように指示された。 それらは、空港、港、そして警察の指令所においてさえも問題となり得た。

     このネットワークは、TETRA、あるいは Terrestrial Trunk Radio と呼ばれる デジタル無線システムを用いている。 そのハンドセットは近傍のアンテナへ頻繁にパルスを送ってその存在を示すが、 このパルスはある種の機器の電子回路に影響し得る。 既に TETRA を使用していた Jersey 警察が 速度計測や飲酒運転検査用の機器に対して起こり得る問題を報告した時に、 警告が出された。 Defence Evaluation and Research Agency (DERA) の科学者らは、 その干渉のレベルと、その無線が他に何に影響し得るかを見付けるように依頼された。

     (Source: The Times, January 2001, sent in by Harold Smart who saw it in the Royal Institute of Navigation Journal, January/February 2000 issue.)

122. 干渉が数十億の警察無線プロジェクトの将来を曇らせた。
     TETRA テクノロジーの予備実装試験を行なっている Jersey の海峡諸島の警察は、 以前のものを使う場合と較べてその機器の使用に関してはるかに慎重になるように その警官にアドバイスしている。 医療用機器との干渉の危惧から、 Jersey 州警察は機器の使用に関する厳しい規則を定め、 入手可能な最小の電力のハンドセットを注文した。

     Jersey 警察の発表によれば、この試験は外部無線干渉を受けた場合に 速度検出デバイスが使用不能となるという問題も明らかにした。 呼気判定装置にも懸念がある。 報告によれば、警察はハンドセットから 10m 以上、 より強力な車載送信機からは 35m 以上離れてのみ呼気判定を行なえるとアドバイスされた。 これは、その価格が昔の料金でも不平の元となっていたそのシステムが、 多くの状況で切られるであろうという懸念も生じた。

     Police Federation は、このテクノロジーの導入によって作業効率が、 そして警察安全さえもが損なわれ、改善はされないとの懸念を明らかにした。 このテクノロジーの供給者、BT Quadrant のスポークスマンは、 使用された機器は国際規格に適合していると言った。 彼女は、その機器を、これも病院の中では切らなければならない GSM 電話と比較した。

     (Extracted from an article posted in The Register on 22^nd Jan 01 by John Leyden, http://www.theregister.co.uk/content/5/16266.html, sent in by Graham Eckersall, G4HFG.)

123. 警察無線が陽性の呼気判定を引き起こし得る。
     もし警察に呼気判定を行なうように要求されたならば、 彼らの呼気分析装置に息を吹き込む前に無線を切るように主張した方が良いかも知れない。 このアドバイスは、次世代のハンドセットからの干渉に関する警察の懸念に関する話 (上を見よ ――編集者) を印刷した後で我々に手紙を書いた元警官からのものである。 彼は次のように書いた： 警官達は、Metropolitan Police 訓練所において、 ライトが (望むべくは) 赤になるのに必要な 40秒を待ちながら 個人用無線器の PTT (送話) ボタンを押すべきではないと教えられた。 そう、決して。

     彼は、相棒が被疑者の呼気判定を行なっている時に 警官がこっそりと無線器からの送信の早いバーストを送るかも知れないという考えは、 眉をひそめられたと付け加えた。 少なくとも Britain においては 酒酔運転被疑者の容疑や有罪判決は警察署で行なわれる別の判定に依存するため、 ここではそうする価値がない。 我々の通信員は、不器用な顧客を悩ませるためのテクニックが使われていたことを示した。 これは、単に不自由を引き起こす機会を与え、書式を埋める時間を費させ、 その後で丁寧に謝罪し、そのドライバーに彼の車の鍵を返し、 彼をそこまで乗せていくタクシーを見付けられる場所をアドバイスするだけである。 朝の４時に。 やれやれ。 酷い話だが、あなたが囚人でなくなったならば、あなたを車に乗せてあげる保証はない。 そう。 もし金を持っていないならば、雨の中を延々と歩いて戻ることになる、と彼は付け加えた。

     救急ボランティア・サービスである St. John Ambulance のために働いている他の読者は、 呼気判定で陽性の結果を得るために無線をトリガーしている警官を 勤務中に見た時のことを詳しく話した。 一見、それは無害な第三者に過ぎないように見え、 その男は知合いの女性と喋ろうとするというやや奇妙なトリックを用いていた。 その St. John 救急サービスの人は、 救急車の無線も呼気分析装置に対して同様の影響を持ち得ると言った。 飲酒運転を大目に見るつもりはないが、 (そもそも飲みすぎていないと仮定して) もしあなたが逮捕されたならば、 あなたは探すべきものを知っていることになる。 慎重に。

     (Article by John Leyden in the Register, http://www.theregister.co.uk/content/archive/16413.html, posted on the 26^th January 01, sent in by Graham Eckersall, G4HFG.)

124. ペースメーカ使用者にデジタル無線に関する警告が出された。
     ある読者は、モトローラからデジタル無線ハンドセットを受け取った時に、 それがペースメーカー使用者のための一連の警告を含んでいることに驚かされた。 Terrestrial Trunk Radio (TETRA) デジタル通信プロジェクトで用いられる モトローラ d700 ハンドセットは、 ハンドセットとペースメーカーとを少なくとも 15cm 離すようにという Health Industry Manufacturers Association からの勧告を含んでいる。

     意図されたことであろうが、このアドバイスは多数の意外な工夫をもたらす。 ペースメーカー使用者はハンドセットを胸ポケットに入れるべきではなく、 さらに干渉の可能性を最小限とするためにペースメーカーと反対側の耳を使用すべきである。 さらに続く： もしペースメーカーへの干渉があると疑う何らかの理由があれば、 ハンドセットをすぐに切るべきである ―― 勿論、息切れを感じなかったとしてもである。 我々は、極めて驚くべきほどの人々がこれらによって傷付けられたと我々の読者に結論付けさせる、 補聴器、その他の医療デバイス、爆発物、 そしてその他の多くのものに関する警告もあることを収集している。

     モトローラの健康と安全に関する専門家はその情報を確認し、 それらの指示はそのユーザーがその機器を安全に使用することを確実にするための トレーニングの一部であることを ――極めて合理的に―― 示した。 彼は、TETRA と GSM では同程度の電力レベルが用いられており、 これはその干渉レベルが緊急サービス ――TETRA の主な市場―― で今日広く用いられている古いアナログ・テクノロジーとひどく異なりはしない ――高くはあるものの―― ことを意味していると言った。

     では、ペースメーカー使用者は携帯電話を避けるべきか？ この件では特定のペースメーカーについての電気的イミュニティ ――あるいはその欠落―― に関して行なうべきより多くの点があるように見え、 その製造業者は心配するユーザー達に彼らが必要とする全ての情報を与えるべきである。 あなたもそう考えるであろう。

     (Article by John Leyden in The Register, http://www.theregister.co.uk/content/2/17357.html, posted on 5^th March 01, sent in by Graham Eckersall, G4HFG.)

125. 世界中の人々が Bremerton の奇怪な電気的故障の話に魅了された。
     Bremerton 周辺での先週の自動車のキーレス・リモート・エントリーの大規模な故障は、 地方コミュニティを遥かに超えた興味のきっかけとなった ―― World Wide Web と国際的に連合したラジオ放送の遍在性に感謝を。 この話は、土曜の Sun 紙に最初に掲載された後、 怪奇現象に焦点を当てた2つの国際的ラジオ・プログラム ――Art Bell の Coast to Coast、及び Jeff Rense Show―― で放送された。 それは、Sun 紙のもの (www.thesunlink.com) を含む 多数のウェブサイトにもポストされ、また他の新聞に再掲載された。

     広範囲なポストは、国全土からの、 そしてロシアやクロアチアのように離れた所からの多量の反応を引き起こした。 住民がそのミステリーを解決しようとし、 リモート・エントリー・デバイスの大量故障を超えたインパクトのリストを追加するまで、 しばらくのあいだはこの奇妙な事件は West Sound のホットトピックに留まっていた。

     3月21日午後4時から月曜の午前6時30分までの停電は、見掛け上は 小さな手持ちキーレス・リモート・デバイスから自動車のロック解除受信器へ送信された 短距離 UHF 無線信号による干渉によって引き起こされたようであった。 しかし、この干渉の源は謎のままとなった。 その停電に対するその機関による調査に詳しいある政府役人は、 Federal Communication Commission は 地方軍の存在がこの崩壊の源である可能性が高いと信じている、と言った。 海軍役人らは、依然として その干渉と USS Carl Vinson の Bremerton への最近の帰港とのあいだに いかなる関係も見出せないと主張しているものの、 Sun 紙に送られた反応の大半は軍の存在にその崩壊の責があるという確信を反映している。 彼らは、その干渉が他の問題を引き起こし得たかどうか、 またそれが再び起こり得るかどうかも尋ねている。

     反応のいくつかのサンプル:

     • ある元海軍技術者はこう書いた： あなたも良く知っているように、アクティブ電子撹乱装置 (ECM) は 造船所にドック入りしている船舶上に不用意に残されており、 自動車のリモート・ロック・デバイスを使用不能とした。 それが「ジャミング装置」がすることが期待されていることである。 その影響が USS Carl Vinsol が到着した時に発生したのは偶然ではなく、 月曜に水兵らが船に戻って見回りをし、それを切った。
     • Croatia の Izakovic のとあるコンピュータ愛好家は、 それがその地方の港に引き込まれた時に 米国軍艦からの電磁放射が彼のインターネット用モデムをフライにした、と言った。 彼は今は４台目のモデムを使っており、 同様のエミッションが Bremerton 地方でも発生したのではないかと推測している。
     • Bremerton の謎は、全く謎ではない。 米国海軍は、VTRPE レーダーや、 赤外／可視光／レーダー衛星検出シールド・テクノロジーを運用している (これがその問題を引き起こした)。
     • Bremerton の２人の読者が、 彼らの家庭用電波時計を制御している無線信号に 何かが周期的に干渉していると報告した。 米海軍観測所の原子時計と連動した Colorado の送信機からの 2.5〜20MHz の範囲のいくつかの無線周波数の放送が持続している限り、 その時計は正確な時刻を表示する。 時計所有者の１人は、その問題は 月曜にキーレス・リモートが再び機能し始めてからも残っていると言った。 他の読者は、Bremerton や Port Orchard における、先週の停電のあいだの テレビ受信、自動車警報、そしてコンピュータ・マイクロチップの問題を報告した。
     • 州や地方政府機関の被雇用者らが、 彼らの無線システムが Bremerton や Bangor 地域で周期的な故障を経験したと報告した。 我々は (PSNS に) 連絡したが、彼らは何とも言わなかった。 ある回答者は、彼らがいつ試験していたのかを知っていれば助けになっただろう、 とメールした。
     • ロシア人の地球物理学者と名乗ったある回答者は、 不法テレビ信号や警察通信装置などの、 他の可能性のある崩壊の源を示唆するメールをモスクワから送った。

     (Article by Lloyd A. Pritchett, The SUN newspaper of Bremerton, Washington, USA, March 2001, http://www.thesunlink.com/news/2001/march/03302mystery.html, sent in by Graham Eckersall, G4HFG, who saw it referred to in the ARRL news (US ham radio organisation) in April 01.)

これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を T. Sato が翻訳したものです。 この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。 これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: 2001-06-11

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