バナナの皮 ― XV

無線遠隔制御のガレージ・ドア開放器は、軍事でも使われている周波数範囲を用いた短距離デバイスである。人々は軍用ジェット機が通過する度にガレージのドアが開くことにうんざりさせられ、このために製造業者はその信号に符号化を付け加えた。
小売店が、USA においては 510～1505kHz で動作する万引防止装置 (ドアの両側に置かれているフープ) を用いている。保護される品物には、所定の周波数で共振してフープが発生するフィールドを妨害する小さいラベルが貼り付けられており、検出を可能とする。心臓ペースメーカがこの万引防止フィールドへの感受性を持つことが判明し、ペースメーカ製造業者はそれらの感受性を下げるように設計を改良しなければならなかった。
調光器による AM 放送への干渉の問題が多く発生している。顧客を満足させ、販売水準を維持するために (そして何らかの規制や規格のためにではなく)、その製造業者らは製品に抑制手段を追加している。
ケンタッキーのある合板接着装置は、その接着剤の乾燥を早めるために 6MHz で 1.6MW を用いていた。操作員達は、その機械の中がよく見えるように、金網の付いた扉を取り除いた ―― 彼ら自身を危険なレベルの RF フィールドに曝した。 (ところで、Art は放送に使われているよりも多くの RF エネルギーが製造での物質の処理のために世界中で用いられていると主張している。)
高周波メスは、RF エネルギーを用いて血管をシールしながら組織を切断するために外科医によって用いられている電気的手術ユニットである。それらは 1マイルの距離で 10mV/m という FCC 限度に合格するものの、外科医の頭部で 1000V/m を発生し得る。
UK の Civil Aviation Authority (CAA) の安全規制グループの試験によれば、携帯電話は航空機の電子機器への干渉を引き起こし得る。航空機への干渉の証拠は、携帯電話が問題の発生源であったことを示唆するパイロットによる多数の報告による逸話的なものであった。試験は、Virgin Atlantic 747、及び British Airways 737 で、地上で行なわれた。その結論は、「携帯電話からの客室内での送信は、以前の規格に対する航空機用機器認証のための証明された感受性水準を超える水準の干渉を引き起こし得る」というものであった。携帯電話に起因するとされた障害は、乗組員のヘッドセットへの雑音や、「狼少年」効果 (これは乗組員が実際の警告を無視し得ることを意味する) を持ち得る警告信号の誤ったトリガを含む。
(Electronics Weekly, May 31 2000, page 2)
最近の無線干渉の事例において、あるケーブル・テレビ (CATV) システムが無線干渉を引き起こしたことが判明した。調査により、それはその CATV システムが並行するダクトに埋設されたケーブルからの干渉を拾い上げていた (そしてそれを再放射していた) ことによるものであったことが判明した。
(Peter Kerry, "EMC in the New Millennium" IEE Electronics and Communications Engineering Journal, April 2000, Page 47)
人々は、彼らの携帯電話が蛍光灯の近くでは動かないなどといった問題と共に生きることを学んだ。
(Peter Kerry, as 85 above)
私は、可変速ドライブで給電されるダウンホール・ポンプの過電圧に関連する Yacamini 教授らの記事 (2000年2月号の PEJ、p.29) に興味を持った。 1960年台に、ロンドン地区の交差接続された 132kV ケーブルのグループでの満足に説明することができなかった一連の故障があり、接続点に組み込まれたフォイルを用いた高価な現場測定にも関わらず最後の故障は測定器が切り離されたすぐ後に発生した。それらの故障はその経路の 1/4 から 1/2 にある接続点で発生し、経験を積んだケーブル接続作業者による非常に慎重な修理にも関わらず、その後の故障は同じ接続点で発生した。重大な過電圧は測定されなかった。ケーブルや架空線のサージ電圧に関するさらなる調査は、特にモーターの端子に存在するような断続における急峻な波形が過電圧を注入し得ることを示した。その過電圧が直ちにブレークダウンを引き起こすほどのものでないとしても、半サイクルごとのスパイクによる絶縁への持続的な過剰なストレスは漸進的な故障を引き起こし得る。
(H. J. Langley, Letters to the Editor, IEE Power Engineering Journal, April 2000, page 48)
我々は、1970年中期に Ferranti のために働いていて、 Loch Lomond 近くの発電所の電力計測の問題に出会った。幾度となく (何週間かに一度)、我々は完全にばかげた表示を得た。その表示とその発生のいずれも、予測可能でも一貫してもいなかった。我々は様々な接地方式やサージ抑制を試したが、その後に近くにアルミニウム溶解装置があることに気付いた ―― そしてその巨大な電力ケーブルはその発電所のコントロール・ルームの地下３フィートを引かれていた。それらのケーブルからのフィールドは、腕時計を磁化するほど強力なものであった。この問題は、その電力量計の回路をフィルタすることによって解決された。
(Dave Dunn, Senior Applications Engineer, IMI Norgren, Manchester)

これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を T. Sato が翻訳したものです。この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: 2001-02-25

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