バナナの皮 ― X

Stanger (南アフリカ) のその製紙所は、 1MVA 定格の現代的な電子可変速駆動システムを持っている。１つのサイリスタ制御整流器が、各駆動装置の共通の DC バス電圧を制御する。それらのモータは独立して駆動され、速度の同期したユニット群が紙を高速で送る。 40ms のオーダーに達する 20% を超える電圧ディップは、その敏感な制御を狂わせ、その駆動装置を停止させるのに充分である。これはその紙を引き裂き、清掃と再稼働準備のための数時間のダウンタイムを生じさせる。その製紙所は電源のそのような電圧ディップを週に少なくとも１回か２回経験していたが、 1997年4月に超電導磁気エネルギー蓄積システム (電圧ディップ保護装置として構成された) を設置してからは、給電グリッドからの電源の電圧ディップによる停止は引き起こされていない。
(Adapted from an article by R Schottler and R G Coney in the IEE Power Engineering Journal June 1999 special feature on electrical energy storage)
Radiocommunication Agency の Ken Yard は、 UK への TETRA サービスの導入によって最近直面している問題について説明した。自動車の警報／強制停止装置への干渉は、昨年だけで 12,000回を超える路上修理サービスの依頼を引き起こした。彼は、その問題は部分的には TETRA 基地局によって引き起こされたものであるが、主な原因は帯域外の送信器に対する排除が不充分な、劣悪な品質の受信器 (自動車側のシステム内の) にあると言った。彼は、この状況が自動車用無線キーのための新しい 868MHz 帯域によって回避できることを期待している。
(From the article "Compromise on 868 MHz", page 14 of Low Power Radio Association News May 1999, describing a meeting on March 23rd 1999.
もしあなたの現有の自動車用無線キーが 418MHz を使用しているならば、来月中、あるいはそれ以降に、TETRA からの被害を容易に受けるかも知れない。もしそれが 433MHz を使っているならば、逃れられるかも知れない ―― もしあなたの受信器が良い品質のものであれば。)
電源品質は、生命維持システムがクリーンな信頼できる電源を要求する病院において特に重要である。これには、非常用発電機の試験中に人工透析装置に対する問題が明らかになった North Wales の Glan Clwyd 病院で、最近焦点が当てられた。主電源から発電器電源への切り替えが、新しい、コンピュータ制御の透析装置を停止させてアラームを出させた。これは患者への危険と、血液が凝固を始める前に速やかに機械を何回かリセットすることが必要となるスタッフへの問題を引き起こした。リセットは大抵は成功したものの、時には装置が反応せず、患者を予備の機械に移動させる必要があった。この問題は、発電機の試験中にその病院での手術を継続できるようにするための無停電電源によって解決された。今は、ポンプの突然の停止を引き起こす電源障害による患者への加害を防止するために、 2.5kVA の UPS が透析装置で 10台、そして人工心臓ユニットのポンプで 1台使用されている。
(Extracted from page 121 of IEE Review, May 1999.
注意：全ての UPS が我々が期待するほど信頼できるわけではない！)
Tasmania の Hobart は、今月の始めに珍しい災厄に見舞われた。ガレージのドアを操作する遠隔制御が突然機能しなくなり、街全域にわたる住人が彼らのガレージの中に閉じ込められてしまったことに気付いた。電動シャッター会社にはガレージの所有者達からの怒りの電話が殺到し、最初はその問題に完全に降参してしまった。
その後、その原因が明らかにされた：その街のガレージのドアの遠隔制御と同じ周波数を使った航行用レーダーを搭載した空母 USS Carl Vinson が、丁度その街のドックに入ろうとしていた。地方紙 The Advocate によれば、その船舶の公務担当者である Dave Waterman 中尉は、その問題はその船が出入りする時にのみ発生すると言った。
(New Scientist, 24th April 1999, page 100)
ある自動車のエンジン管理システムへの制御ケーブルが損傷を受け、端子台を使って修理された。しかし、そのエンジンはぎくしゃくと動いた。その修理箇所全体に EMC 銅テープ (導電粘着テープ) を巻くと、そのエンジンは再び滑らかに動くようになった。
(Arthur Harrup, Chief Engineer, William Tatham Ltd, Rochdale, 16th Feb 1999)
いくつかのロボット玩具がテレビに干渉した。いくつかの接触制御式ランプが、その灯りが消されている時でさえも長波ラジオに干渉した。ある照光ヨーヨー (電池式) があるポルシェに干渉した。
(Jim Rackham, Principal Trading Standards Officer, 23rd February 1999)
1980年台に、我々はフランス製のチャート・レコーダを使っていたが、それはしばしば土曜に倍速で動作した。これは、土曜にテレビやラジオの使用が増加し、その電源が二次高調波電流を主電源に注入したことによるものであることがわかった。そのチャート・レコーダの同期モータはそれによって生ずる 100Hz の電圧歪に同期することができ、その結果として倍速で動作した。
(Stan Lomax of RTM Group Ltd, Altincham, March 99)
ドイツ経済省は、航空安全に対して起こり得る影響に関する懸念の増加から、ケーブル・テレビ網の制限を検討している。ドイツ経済省のスポークスマン、Frank Krueger は、家庭用ケーブルが航空管制／地上交信システムに干渉する可能性は、規制の提起のために政府に上げられたと語った。 Krueger は、「個々のケースにおいて、その周波数によって生ずる危険のレビューの後で特定のステーションを停止しなければならなくなることもあり得る」と言った。 European Cable Communications Association によれば、ケーブル放送と航空安全に関する議論はドイツに限られたものではない。同様の安全に関する問題は、現在 Benelux states と北欧諸国で議論されている。 UK Radiocommunication Agency は、関係がある範囲では、送信の衝突に関連する唯一の議論は他の欧州放送事業者との潜在的な干渉の回避に関係するものであると言った。
(From the lead article on page 1 of Electronics Times, April 1999)

これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を T. Sato が翻訳したものです。この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: 2001-01-20

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