バナナの皮 ― VII

最近、HSE は半導体工場において塩素の放出を引き起こし得る機器の供給者を告発した。その機器は主電源トランジェントに充分に耐えなかった (そして、そうであることが我々自身のラボで証明された)。我々は、その供給者 ――その問題に気付いていた―― がその機器のユーザーに通知しなかったことから、 Health and Safety at Work Act の第６条のもとで告発した。その会社は罪を認めた。
(From Simon Brown of the HSE, 13th January 1999)
Therapeutic Goods Administration of Australia (TGA) は、携帯電話とペースメーカーや除細動器との一時的な相互作用や干渉の可能性を示す、臨床的な、また研究所での研究の調査を続けている。この調査は、電話を移植デバイスの 150mm 程度以内に保持する、あるいは電話のアンテナをユーザーの皮膚に直接接触させることによって干渉が引き起こされ得ることを示した。干渉は、使用中と同様、待機状態の電話によっても引き起こされ得る。一部の電話では、少なくともそのスピーカーに磁石が組み込まれており、それを移植デバイスの近くに保持すると、それを「磁石」モード ――ペースメーカーの場合は固定ペース―― に移行させ得る。最新のテストによれば、単に電話をその移植デバイスから離せば正しい動作状態に復帰する (編集者注：恐らく、まだ移植デバイスにマイクロプロセッサを使っていないために) であろう。移植型のペースメーカーや除細動器のユーザーへの勧告は：電話をその移植デバイスの近くのポケットに入れない；電話の使用に際しては移植デバイスから遠い側の耳を使う；そして電話のアンテナを体のどこにも触れさせない。
(From Compliance Engineering's European edition Jan/Feb 1998)
ネバダの緊急サービス (すなわち警察、消防、及び救急) の双方向無線通信の破綻がどのように引き起こされたかの話がある。徹底的な調査により、沿道のパブ (編集者注：パブではなくネバダのバーだと思っていた) の、１台、あるいは複数の実にノイジーなピンボール・マシンに辿り着いた。その所有者はそれらの撤去を命令された。彼はそれらを撤去し、その問題はなくなった。しかし、他のパブの所有者が同一のマシンを使っていたため、それはすぐに再発した。
(From George Alspaugh of Lexmark International, 7th July 1998.)
私は裏庭に熱式動体センサ付きの防犯灯を取り付けている。私は、台所の換気扇を何回かオン／オフすることによる、確実な、しかし意図されたものではない遠隔制御機能を持っていることに気付いた。私は、それは特別な目的の、配線された、デジタル・コントローラであると妻に言った。
(From Ed Price of Cubic Defense Systems, San Diego, 8th July 1998.)
今週、Eurostar と Railtrack の職員は、信号の誤動作を引き起こす EMI の脅威が欧州鉄道のロンドンの北へのサービスの開始を遅延させていると認めた。架空電力線によって発生する EMI が、赤のライトを緑にするように路線信号に影響し得る。 Eurostar のスポークスマンは、「電気的な用語では、我々は Eurostar のような新しい列車が相当の迷走電流を引き起こす傾向があることに気付いた。これは信号に干渉を引き起こしてそのインテグリティに影響し、信号を赤から緑に変えさせ得る。」その線路と信号のシステムに対する責任を持つ Railtrack は、 Eurostar がその安全性を証明できるまでその列車の営業運転の許可を拒否している。「我々はこの問題をできる限り速やかに解決するために連係して働いている」と Railtrack は言った。 Eurostar の技術者は干渉電流監視ユニットを設計した。それが EMI を検出した時、そのモーターが停止させられ、その列車は緩やかに停止する。しかし、最大の安全性のために、そのユニットは最大感度に設定しなければならない。これは列車を数マイルごとに停止させることがあった。
(From Electronics Weekly October 23rd 1996)
(編集者注： Watford ジャンクションの北で Eurostar を見たことがある人はいるか？これは我々の国家経済、特に北の国々のそれにどれだけの負担となっているか？私は、全ての Eurostar の列車は EMC 指令のもとで TCF が作成されており、また伝統的に British Rail と Railtrack の双方が厳しい EMC イミュニティ規格 ――RIA シリーズの規格を用いた―― をその信号機器に常に適用しているものと理解している。)
信号に干渉するために使用に供することができなかった多数の鉄道車両がある。
(From Ray Garner of Datel Defence Ltd, November 98, quoting an earlier article in a national newspaper.)
オン／オフ時間比例モードで制御されている 1.5MW 誘導炉 (電流をスイッチするために大型のコンタクタを用いたもの) が、半マイル離れた Marks and Spencers 商店のコンピュータに干渉した。
(From Laidler Associates Consulting Services, June 1998)
UK のある発電所の新しい大型ターボ発電器は、スペースの不足のため、その 20kA ３相出力バスバーを支持支柱の１つの両側に振り分けるように設計された。その支持支柱は鋼鉄製 (鋼鉄の構造材の一部) であり、バスバーの１つの周囲に単巻短絡ターンを作り出した。動作中、その支柱 (太さ２インチの鋼材でできている) は、その塗装に泡を生じさせ、またその高さを 5mm 増やす程熱くなり、ベアリングのアライメントを狂わせ、その発電所の作業者を逃げ出させた凄まじい騒音を引き起こした。 (編集者注：スピードが上がり、ベアリングからはずれた大型ターボ発電器は恐るべきものだ！) この対処は、今度はその支柱に巻かれた、 1/2インチ厚のアルミニウムでできたもう１つの短絡ターンであった。
(Conversation at Mersey and District Club Europeen, 28th January 1999)

これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を T. Sato が翻訳したものです。この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: 2000-12-09

[ 前へ | 次へ ]