[ Home
> 電気製品の EMC／安全適合性
> バナナの皮 ]
バナナの皮 ― V
- 数年前、英国の空中燃料補給演習のフィルムが放映された
―― 燃料補給機が落雷を受けたが、下方へは放電されず、
これはその飛行機が 100kV から 1MV 程度、
あるいは何らかの値に帯電したままとなったことを意味する。
数秒後、大きな球状の白熱したガスが
機体後部と翼の先端からスリップ・ストリームの中へ離れ、
おそらくは余剰な電荷 (電子、あるいはホール) 全てを「球雷」として運び去った。
(from Chris Dupres via emc-pstc)
付け加えると、最近、New Scientist マガジンは
球雷の理論的基礎が発見されたかも知れないと報告した。
- ヘリコプターの回転翼と機体は
それが空中を振り回されるのに従って摩擦帯電し、
それらは便利な緑／黄のワイヤを持っていない。
ヘリコプターが着陸した際の金属甲板への急激な静電気放電によって
採油リグのコンピュータ・システムがクラッシュしたという報告があり、
またホバリングしているヘリコプターの着陸スキッドに触れようとして近付いた乗組員が
激しいショックを受けたことを示しているフィルムがある。
Chris Dupres が emc-pstc に投稿した別の記事：
私が知っているある米国沿岸警備隊長は、
夜に貨物船の甲板に非常用ポンプが届けられた際に
「溶接のようなアークと光」を見たことがある。
彼は、その沿岸警備隊の標準的なプラクティスは、
浮輪や吊紐を水中の人に決して投下しないように要求しているとも言った；
その人は自ずとそのラインに触れることになる！
その代わりに、彼らはそのラインを水中に落とし、それをその人の所まで引いて行く。
- クレーンの事故：
ある工場に設置された新しい CNC マシンは、
プラスチック・ケース内の小さいインバーター・ドライブである
スピンドル・コントローラを含んでいた。
そのスピンドルが最初に動作した時、
架空移動式クレーンがそのインバーターからのエミッションによって起動し、
そのチェーンを工場の端から端まで引きずった。
幸い、そのチェーンに取り付けられる 18トンの鋳物は、その時には外されていた。
(from Phil Hampton)
- EMC 広報キャンペーンの初期に DTI が報告した有名な事例がある
―― ある人がクレーンの荷重の下に立って無線制御発信器を使っていたが、
干渉を生じた際にその荷重が切り離され、彼は押し潰されて圧死した。
最近のクレーン事故の多くは、特にクレーンの無線制御システムが
アマチュア無線、及び／もしくは自動車の無線キーと
同一の周波数帯を共有している場合の、無線制御の使用によるものである。
近く導入される TETRA システムもこれらの帯域の一部を共有し、
25W の送信機を使用する ―― クレーンのさらなる凶暴化が予期される。
現代的なテクノロジーが古いテクノロジーに干渉を学習させられないことを示すためだけに
―― 私は、1960年台後半の最初の大規模ホバークラフト試験機のための
制御装置とドライブを作成した企業のために働いたことがある。
より大きな建物内の大きな水槽に沿ってホバークラフトの模型を引く、
架空レールに沿ってガントリーを走らせる複雑な架空移動式クレーンへの影響があった。
当時、彼らは耐ノイズ性を確保するために、
40V 電源で駆動される抵抗―トランジスタ論理回路を使用していた。
引渡しに際して、その機械は突然勝手に起動し、プールの反対の端まで突進した
―― それは「何らかの主電源トランジェント」として分類された。
そのサイトの全ての要員はそのガントリーの乗降用梯子の近くに立っていたが、
緊急停止ボタンはそのガントリー上のみにあった
―― それとその梯子は走るよりも速く移動しており、
彼らはそれを手に入れることができなかった。
それはその (配線された) プログラムに従って動作していなかったので、
そのクレーンはリミット・スイッチを無視し、建物の壁を突き破った。
幸い、誰も傷付けられなかった。
次のバージョンでは建物全体にわたって複数の緊急停止が設けられた。
(From Keith Armstrong)
- 1998年6月、英国のある病院の胎児心臓監視装置が、
構内の他の場所での携帯電話の会話を実に明瞭に拾い上げた。
その監視装置の視覚的な出力は影響されなかったが、
スタッフは音声出力を使う傾向があり、
その携帯電話の会話は彼らが聞いていた拍動を聞こえなくするほど大きかった。
それはアナログ携帯電話であったに違いなく、
またそれはその音声ステージに入り込んだに違いない
―― さもなくば視覚的な出力も乱れた筈である。
低速なオペアンプでさえも
(補聴器を装着している人が気付いているように！)
900MHz の信号を復調するであろう。
一般に、多くの健康管理施設では構内での携帯電話を禁止しているが、
人々が標識を読んでそれに従うことに頼ることはできない。
(from Ian Ball)
- ある工場で使われている
40kW 高周波溶接機 (プラスチック材料のための誘電溶着機) が
60ヤード離れたベッド製造会社の工場のマットレスを発火させた。
そのベッドのスプリングが、その溶接機が用いていた周波数に対する
効率的なアンテナとなる丁度良い長さとなっていたに違いない。
Copyright (C) 1998 Nutwood UK Ltd.
これは、EMC+Compliance Journal
に掲載された記事を T. Sato が翻訳したものです。
この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。
これについての意見、質問などは
VEF00200@nifty.com (T.Sato)
宛にお送り下さい。
Last update: 2000-12-09
[ 前へ | 次へ ]