多様性を増す安全への影響を持つ用途における電子技術の使用の著しい増加。
[ Home > 電気製品の EMC／安全適合性 > EMC+Compliance Journal より ]
翻訳: T.Sato
EMI が傷害や人々の健康に対する被害を生じることが予期できる場合には、 電磁両立性 (EMC) は機能安全の観点から扱われるべきである。 さもなくば、人々はリスクのもとに置かれるであろうし、 製造業者は財務的なリスク (責任訴訟、製品のリコール、負の宣伝、そして顧客の信頼の喪失) に曝される。
機能安全を全面的に扱っている EMC 規格はない (医療、鉄道、自動車についてさえも) ―― そして、それは EMC 指令や自動車 EMC 指令への適合によってカバーされていない。
EMC 問題を全面的に扱っている安全規格はない ―― 機能安全のための EMC は、低電圧機器、機械、３種類の医療機器全て、 人体保護機器などのための指令などでカバーされてはいるにも関わらず。
多くの製造業者は法律が許す最小限のことを行なう (コストを低く保ち、製品の競争力を維持するため) ので、 機能安全規格のための全面的な EMC の欠如は、 この問題が往々にして見過ごされ、あるいはしっかりと行なわれないことを意味する。
別の問題は、安全技術者が EMC をブラック・アートとして扱うことである。 そして、ほとんどの EMC 技術者は、 安全上の目的のために EMC をどのようにすべきかを理解しない。
設計者のための唯一の専門的なガイダンスは、IEE トレーニング・コースである。 (EMC への同様のアプローチは、高信頼システムと法的計量のために非常に価値がある。)
機能安全のための EMC に関する現状は混沌であり、 その直接の結果として人々と企業がリスクのもとにある。
IC と信号はより低い電圧を使用するであろうし、 より低い電圧の論理閾値はそれらの EMI への耐性をさらに低くするであろう。
スイッチ・モード電力変換技術の使用の大幅な増加。 目標は、エネルギーの節約のために、 全ての AC や DC のモーター (家庭用、商用、産業用) を 可変速駆動装置で駆動し、全てのリニア電源を置き換えることである。 可変速駆動装置を持つ、ハイブリッド、及び完全な電気自動車の大きな増加。 より多くの「クラス D」オーディオ・アンプ。 全ては、電磁ノイズのエミッションを増大させるであろう。
ワイヤレス・データ通信の著しい増加； 電話線や電源線を通したより広帯域のデータ通信； 超広帯域ワイヤレス技術の多くの使用。 全ては環境の電磁ノイズを増加させるであろう。
多様性を増す安全への影響を持つ用途における電子技術の使用の著しい増加。
価格とスケジュールの双方における、製造業者に対するより大きなプレッシャー。
その結果は、より多くの不要な死、傷害、そして財務的損失となるだろう。
しかし、願わくば、2008年に IEC 61000-1-2 が 機能安全のための EMC に対する全面的なアプローチを含む 完全な「基本 IEC 規格」として出版されるであろう。 願わくば、それは全ての製品と産業セクタの安全規格の基本として用いられるであろう。 そして、願わくば、これらの規格は安全指令の元でリストされることだろう。
願わくば、今から 10年後、良心的な製造業者はこれらの新しい規格の
機能安全のための EMC への適用を始め、
安全上の/財務上のリスクは管理され始めるであろう。
これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を、 その許諾を得て T. Sato が翻訳したものです。 この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。 これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。
Last update: 2005-05-09