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新品の Ridgeback Horizon 自転車でのある走行は、 自転車旅行者の Alan Reid にとってショッキングな経験となった。 Reid は怪我はしなかったが、その経験は怖いものであったと語った。 その 55歳の男は、スコットランドの Paisley の南の Gleniffer Braes をサイクリングしていた。 彼はハンドルバーの上で手を動かし、指先に電撃を感じた。
「私は辺りを見渡し、上に電力線があるのを見た」と彼は言った。 「それはカーペットからの静電気のショックのようだったが、より強いものだった。 それはその後2、3回起きたが、いつも違う場所でであった。」
Reid の経験は唯一のものではない。 イギリス中の電力線を管理する National Grid は、 サイクリストからのマイクロショックについての質問を散発的に受けていると言った。
National Grid のスポークスマンの Stewart Larque によると、 「電力ケーブルの直下のサイクリストは、その電界によって帯電し得る。 彼らが導電性の物体に触れた時、それは放電する。」
Larque は、そのマイクロショックは、サイクリストが 手をハンドルバーの絶縁性の部分からブレーキ・レバーに触れるように動かした時に、 あるいは太股の内側がシートポストやサドル・レールに近付いた時に最も良く発生すると言った。
「最大の電界、つまり最低のクリアランスの 400kV 電力線の下では、 そのショックは多少痛いものとなり得る」と Larque は言った。 「通常は予期していないので、それは確かに当惑させるものである。 その帯電は小さいが、皮膚の小さい部分に集中する。」
ショックを受けたサイクリストからのほとんどの報告は、不快、あるいは刺激のレベルである、 と Larque は付け加えた。 「我々が心配しているのは、自転車に乗っていてマイクロショックを受けた後で 医者を訪れることを選んだ一人だけである」と彼は言った。 「我々に連絡する人の多くは、 マイクロショックを予期しておらず、理解できないことからそうしている。 彼らがそうして、その回避がいかに容易であるかを知った時、ほとんどの人は満足するようである。」
私は、日曜のいつものサイクリングに出掛けた時、 郊外のそこら中に立っている鉄塔に目を配るようになった。 高圧線の下を走る以外になければ、 ショックを避けるために少なくとも一方の手を自転車の金属部に触れたままとする。 私がそれについて話した一人か二人の疑い深い友人は、 Alan Reid の経験について聞いてから同じテクニックを用いるようになった。 そのリスクを避ける唯一の方法は、手が常に自転車の金属面に触れるように、 ハンドルバーから絶縁材を取り除くことだろう。 予期される氷点下の温度においては、それは自転車に乗るのを不快とし得る。
年に 2,000マイル走る Reid は、その経験は、電力線に気を配り、 ケーブルの下を通過しているあいだ金属のブレーキ・レバーに指を置くことで ショックを避けるようになったほど不快なものであったと言った。
(Taken from: "Power lines give a jolt to the unwary rider" by Will Bramhill, the "Cycle Guy", in The Sunday Times, 28 Nov 2011, "InGear" section, page 9, www.thesundaytimes.co.uk/ingear)
米国の電力網は、ここ15年のあいだ、増加し、悪化するブラックアウトに悩まされてきた。 平均的な年で、停電の年当たりの合計は中西部で92分、北東部で214分である。 対照的に、日本では、年に平均4分のサービス停止しかない。
(Taken from "U.S. Grid Gets Less Reliable", by S Massoud Amin, IEEE Spectrum, January 2011, page 64, www.spectrum.iee.org)
この第2の例は、航空機エンジン制御システムの温度センサに付随する増幅器に関係する。 このケースでは、レガシーなアナログのアイテムがソリッド・ステート増幅器に交換された。 その技術的評価は、新しい増幅器の形状、取り付け、そして機能を正しく考慮したが、 これらの特性は全て肯定的な感覚でのみ考慮された。 昔のテクノロジの増幅器と異なるかも知れない、 増幅器の故障の形態を適切に考慮できなかったことが、航空機のインシデントをもたらした。 飛行中に、その航空機はパイロットの指示によらない推力の低下を4機のエンジン全てに生じた。 その原因は、交換品の増幅器が電源のイベントに際して異なる挙動を生じ、 エンジン制御システムにパワーを下げさせたことであった。
(Taken from "Technical substitutions in safety-related system - not just form, fit and function", by Derek Reinhardt, Safety-Critical Systems Club newsletter, vol 20 no. 2, Jan 2011.)
オリジナルの Abbey Road REDD 37 は、今は Lenny Kravitz が所有している。 だが、彼がその機器を購入した時、グランド・ノイズと RF 問題に悩まされた。
その問題の解決のため、技術サービス専門企業の Studio Electronics が呼ばれた。 会社創立者の David Kulka は、そのジレンマを次のように語った： 「頑固な RF 問題があり、近傍の FM 送信機からの音声が出力バスに漏洩していた。 コンソールのスイッチを入れ、数本のフェーダーを接続し、 モニタ・セクションを通ってどのようにオーディオを引くかを見付けた後、 ボリュームを接続した。 見付けた ―― フィルタされた高周波の音、その局が再生していた曲の上端。 RF エネルギーは REDD 37 に入り込む道を見付け、 コンソールの電子回路内の何かによってオーディオに変換された。」
REDD 37 の歴史的重要性が条件を付けた。 「他のどのコンソールでも、マイナーな回路変更が眉を上げさせることはないだろう」 と Kulka は注意した。 「だが、このケースでは、それは問題外であった。 もし部品が故障したならば、私はおそらくはそれを何とかして見付けた 全く同じ部品と交換することだろう。 だが、ビートルズのコンソールを改造する？ 馬鹿な！」
この事例では、問題はマイクロホンとエコー送信ケーブルであった。 「私はオス側の信号ワイヤをフェライト・ビーズに巻いた短いマイク・ケーブルを作った」 と Kulka は明かした。 「そのアダプタのメス側は本当のマイクに挿され、オス側は REDD 37 に挿された。 そのフィルタ・チョークが細工をし、RF 干渉は消えた。」
(Taken from "Under New Ownership", New Electronics magazine, 11 Nov 2008, page 16, www.newelectronics.co.uk)
さらに、ESD 事象は、放射と伝導の形態を介して機器の誤動作、ロックアップ、 そして製品への直接的な損傷を引き起こし得る電磁干渉 (EMI) を生じる。
(Taken from "Applying E78 to Semiconductor Wafer Chambers" by Roger Pierce and Brad Williams of Simco, Conformity magazine, November 2008, pages 36-41)
無線周波干渉 ――電波の今日の電子的混乱―― が、これらの不可解な 航空機の墜落、ミサイルの障害、そして通信のブラックアウトを引き起こすのか？
カリフォルニアの Oakland Army Terminal のドックで、 不気味な、目に見えない「力」が再び襲いかかった。 巨大なスチールの荷降ろしクレーンが電流に憑かれたようで、要員が感電してひどい火傷を負った。 その荷降ろし作業者は軍艦からの荷降ろしを行なっていた； 今は彼らはその機械を止めて作業を拒否している。 その危険を出し抜こうとして、彼らは長過ぎるあいだ極めて慎重に行動している。
調査員らは Oakland のミステリーを、無線周波干渉、あるいは RFI と呼ばれている、 ますます活動的となっている敵によるもうひとつの攻撃と診断した。 テレビのセットを持っている人は皆、おそらくは RFI に煩わされていることだろう； それはテレビの画像をばらばらにし、あるいはちらつく帯や光点によって不鮮明にさせ得る。 視聴者にとって、その干渉は苛つかせるものに過ぎない。 だが、RFI は最悪の場合は人の生命や財産を危うくさせ得る。 それは通信を阻害する。 それは米国のミサイルの一部の発射をしばしば妨げており、 他のものに飛行中の一時的な誤動作を引き起こしてきた。 それはその国のミサイル防衛システムと攻撃能力を危険なギャンブルとした。 電子工学専門家の一部は、無線周波干渉が劇的に低減されない限り、 その国はいつの日か全ての電気的エネルギーの連邦政府による独裁的管理を 考慮しなければならなくなると確信している。 RFI は全ての種類の電気的デバイスが空中に噴出させるエネルギーの結果である； それは、あるデバイスからの、他のものの動作を混乱させるのに充分に強い 電気的エネルギーのエミッションである。
例えば、Oakland Terminal においては、 スチール製の荷降ろしクレーンがアンテナとして働き、半マイル離れたところに その送信機がある KSAY デイタイム・ラジオ放送局からの送信を拾い上げている。 そのクレーンは今度は要員を火傷させた電流を流出させた。 この電気的な異常は解消を拒んでおり、陸軍は弾薬やその他の補給品の荷降ろしを 放送局が送信を止めている夜間に行なうことを強いられた。 最後の報告では、陸軍はその問題に対する恒久的な解決策 ――KSAY の出力か送信機の位置の変更の法廷命令による変更―― を求めて訴えを起こしていた。
RFI についての話題は、主に面白い、風変わりな出来事として、しばしば新聞に現れる。 コネチカット州グリニッジの医師の無線制御式ガレージ・ドアが夜間に不可解にも開き、 新聞は、彼が電子「幽霊」に悩まされていると報道した。 だが、RFI の本当の危険は滅多にニュースとならない。 エジソンの最初の電球とマルコニの最初の無線セットからそれほど経っていない時代には、 無線周波干渉の問題はなかった。 RFI は、より高度な機械化、より大きな快適さへの人の要求を満たすための 電気デバイスの急増の出力として生じた。 今は何百万ものデバイスがその電気的エミッションで大気を騒がせている。 部分的なリストは、米国内のみでおおよそ 2,000,000台の無線送信機、 数千台の公共や私有のテレビ送信機、数百万台の受信機、 そして医療用や事業用の機械、レーダー、蛍光灯、そして無数の家庭用器具を含むだろう。 RFI の潜在的な発生源全てを調べ上げるのは不可能であろう。
もし世界の全ての電気／電子デバイスが発生したエネルギーの波を 空中で動くワイヤとして観察できたならば、 捩れた金属の驚くほどのジャングルの中に我々がいることに気付くことだろう。 もし何かの手品によってそのワイヤを分けて出処へと辿ることができたならば、 形と長さの違いに気付くことだろう ―― あるものは太く、あるものは細く、あるものは何マイルもの長さがあり、 他のものは5〜10フィートほどの、あるいは数インチの長さしかない。 それらのワイヤは極度に活発で、 出処の点から波のようにうねりながら出て飛び出し、 その大きさに合った他の電気デバイスへの入口を探して 臆病な爬虫類のようにここかしこに突進する。 RFI の不愉快な点は、干渉を起こす機器は最も強力で複雑なものから 単純で最小のものにまでわたり得ることである。 スペインの無線局からの放射が、今年の初め、 犯人の信号が突き止められ、スペイン政府との共同作業で除去されるまで、 米国の衛星の追跡の邪魔をした。 ミネアポリスで、個人住宅の電子呼び鈴システムの摩耗した接点が、 4分毎に短時間、電流を空中へと発射した。 一昼夜のあいだ、半マイル離れた Wold Chamberlain Field は 発着する航空機との明瞭なコンタクトを維持することができなかった。 そして、 New Orleans において、 隣人の「ワイヤレス・ベビー・シッター」が 4マイルまで離れた場所での放送受信を混乱させた。
これらが RFI の極端な例証であると推測すべきではない。 事例の記録は日毎に増加しており、これらのランダムな例はその一部である：
事例に次ぐ事例を引用できよう。 その数は多すぎるので、RFI の追跡の権限を与えられた米国機関である Federal Communications Commission の Field Engineering and Monitoring Bureau は、 より深刻な苦情のみを取り扱う。 例えば幾千の市民のテレビ視聴不良の問題は、 通常は注意に値するほど深刻ではないと見られる。
RFI の追跡のため、FCC は80機の長距離無線検知局のネットワークと、 31人の現場要員の移動型や手持ち型のユニットを持っている。 そのネットワークは、電離層から反射されて遠方に到達する干渉の方向を その機関が見付けられるようにする。 ワシントンDCで2つ以上の方位が地図にプロットされ、 その方位の交点が RFI のおおよその場所を示す。 アンテナを装備した車両でより多くの方位が取られてプロットされ、 聴取装置の助けによって最後に犯人に近付くまで、局所的な調査が捜索をさらに絞る。 人命がかかっている時には、そのハザードが一度注意を引いたならば FCC は速やかに行動し、その限られたスタッフとしては並外れて効率的である。 例えば、政府は、いくつかの主要な都市の近くでは 特定の航法支援装置に頼らないようにパイロットに警告した。 それは全ての航空機内の乗客の小型 FM ラジオの使用を禁じた。
昨年12月のニューヨーク市上空での2機の航空機の空中衝突の後、 Civil Aeronautics Board は 事故に会ったジェット機の正確な無線航法ビーコンの受信を RFI が不可能とし、 割り当てられた航路から外れさせた可能性の調査を始めた。 調査が開始されてすぐに、 ニューヨークの FCC 執行局長は、委員会が与えた新たな排除権限のもとで、 航空管制ビーコンで用いられている周波数で過剰な放射を生じていた電子機器の 運用をすぐに停止するように首都地域の5つの工場に命じた。 それらの工場は停止を余儀なくされた。 衝突した航空機が用いていた侵入エリアが、偶然にも 近傍の産業プラントの電気ヒーターからの無線周波干渉の温床となっていた。 RFI が衝突を引き起こすという疑惑を証明した者はいないが、 多くの航空災害でそうしたという嫌疑は残っている。 最も単純な事実は、全ての電気機器が 他の機器への干渉の潜在的な発生源であるということである。 だが、大気圏内が電気的送信で混雑すればそれらのあいだの干渉も悪化し、 それは悪化する運命にある。 無線周波干渉の新たな発生源は毎日作られている。 米国の軍隊は、今は、潜在敵国についての情報の収集と照合のためのみでなく、 指揮決定のためにも、電子機器に強く依存している。 すぐに、レーダーとコンピュータの組み合わせが、 国内航路に沿った民間機のトラフィック全ての管理を相当の範囲で人から引き継ぐであろう。 10年のあいだに、 コンピュータ、そして関連する電子データ処理機器が、 角の商店を含め、商業的に普遍的に使用される筈であると、 Westinghouse Electric Corporation の役員は自信を持って予測する。
電子工学専門家らは懸念する。 「干渉の制御の技芸はトリッキーなものであり、毎日新たなトリックが現れる」と、 ボストンの Interference Consultants, Inc. のヘッドの Rexford Daniels は言う。 技術出版物の IRE Student Quarterly の記事で、彼は例を挙げた。
技師がフックアップ・ワイヤを鋭く曲げすぎてアンテナを作る； 技術者が電源コードを挿して「グランド・ループ」を作っていることに気付く； 試験員が作業台上にワイヤの切れ端を置いたままにしてそれが共振していることに気付く； 嵐が銅の雨押さえを吹き飛ばしてそれが中継所となる。 マイクロボルトの領域でいじり回している時には、 ポケットの中のコインでさえも読みを狂わせ得る... 飛行機が墜落し、船が失われ、あるいは 密集した都市に誘導ミサイルが当たりそうな時に心配する人々を除けば、 比較的少数の人が、この増加しつつある脅威を知り、あるいは懸念している。 Daniels は誇張しているのだろうか？ フロリダ州 Cape Canaveral で、少なくとも1機のミサイル ――その後に再設計された、初期の Matador 型のもの―― が、テキサス州 Austin の女性のタクシー配車係が運転手に指示を送信した時に、 誤って操作された。 Matador が拾い上げた配車係の声が 、 ミサイルの誘導に用いられていた無線信号と同一のピッチであった。 Cape Canaveral での発射5回に1回近くが、 データ送信チャネルへの様々な発生源からの干渉のため、 秒読み中に延期させられる。
「干渉の発生を防止する入念な予防手段にもかかわらず、」 Atlantic Missile Range の地域周波数調整官の Richard E. Jones は言う。 「発射作業全体の成功を危うくするのに充分に深刻な事例が依然として生じる。 干渉が起きる時、通常は起こり得る最も悪い時に起き、 通常は最初は干渉としてではなく機器の故障として認識される。」
通信電子工学部で周波数割り当ての責任を負っている、 空軍の専門家の Col. James D. Flashman は、 Armed Forces Communications and Electronics Association の公式なジャーナルである Signal で無遠慮にコメントした： 「国家的や国際的な意図や合意にかかわらず、 周波数スペクトラムが今使われているコンセプトのもとでは、 スペクトラムの任意の部分が干渉から免れていることを保証することはできない。 この保証を可能とする管理手段は、単に存在しない。 国際的に認められた遭難信号周波数は、おそらく知られている中で最も神聖な割り当てである； だが、増加している報告がたやすく明らかにするように、 これらの周波数は、時々だけではなく持続的に、深刻に誤用されている。」
RFI の問題と複合するのは、電子的な発達の手強い双子 ――電力と速度―― である。 機器 ――特にレーダー―― の電力は、近年、途方もなく増大してきた。 軍用レーダーは、その放射ビームに過剰に曝された人を 実際に料理してしまえるほど強いものとなっている。 機器がより強力になれば、他の機器に干渉する可能性も高まる。 同時に、送信される電気的インパルスの速度が異様なほど高まる。 コンピュータは、今は、 1秒毎に10万の「ビット」、あるいはセグメントの速度でデータを送信する。 数秒間の中断が破滅的となり得る。 無線周波干渉の罪をどこに向けることができるだろうか？ 知識のある匿名希望のある電子技術者は、 電子デバイスの設計者らと製造業者らの不案内さを語る。 「機器を設計する人々が問題を知れば、問題はもはや存在しない」と彼は主張する。 「彼らの管理されていない機器での危険を知れば、 彼らは干渉を制御する手段を採用することだろう。」
この技術者は、専門家グループ、Institute of Radio Engineers が RFI の深刻さとその生産が始まる前の機器の設計での管理の必要性を 他の技術者らに学ばせるために行なっている戦いの前線に、幾年もいる。 軍用機器に関する限り、公平な分析は、 RFI の罪の一部を軍自身の前に置くことだろう。 第二次世界大戦以来、そして部門によってはそれ以前でさえも、 米軍は無線周波干渉の脅威の増大に気付いてきた。 その年月のあいだに、 軍隊のために作られた新たな機器が新たな RFI の問題を生じないであろうことを 確かとすることを目指して、 軍の指令と仕様の印象的なカタログが作られている。 だが、紙の上での賢明な解決策が実際には追加の脅威となるようである。 軍は RFI の制御のための自らの入念な規格を相当無視してきた。 ある情報通の推定によれば、新たな機器の発注の半分以上が製造業者への免除条項を伴っており、 厳格な RFI 防止仕様から逸れることを許容している。 場合によっては、そのような免除条項は悪夢のようなジレンマに合わせようとした結果である。 第二次世界大戦後の急激な招集解除によって弱体化させられ、 軍は起こり得る第三次世界大戦の準備のために賢明に働いてきた。 新たな機器が早急に必要とされた。 RFI 防止手段は機器の開発のための時間と費用を増加させ得る。 軍は場合によっては RFI の増加のリスクを 敵の不意の攻撃で現代的な機器の不備に出会うリスクに対して評価しようとしてきたが、 最後には彼らは機器を発注し、RFI 防止仕様を放棄した。 そのような機器が結局は戦闘中に RFI のせいで正確に働かないかも知れないという事実は、 その選択を少しも容易にしなかった。 一度も使用されないままに機器が RFI によって麻痺させられるのではないかと心配して、 一人以上の防衛指令が眠れぬ夜を過ごした。
昨年、 Army Research and Development Office の Maj. Gen. Robert J. Wood は 現代的な戦場には電子デバイスが溢れているのに気付き、 20,000のそのようなガジェットが戦闘状態下で一度に使われた時に何が起き得るかを見出すための 2年の $8,700,000 の研究プログラムを承認するように House Defense Appropriations Subcommittee に求めた。 彼は、その結果が、デバイスが他のものを妨害する、 電波の絶望的な混乱となるであろうことを懸念した。 その研究はアリゾナ州 Fort Huachuca の U.S. Army Electronic Proving Ground で 行なわれているところであり、重要なデータが得られている。
軍用機器の有効性についての懸念が、最終的に、 陸軍、海軍、そして空軍の個別の試みを RFI に対する最初の包括的な攻撃へと連合させるよう、 国防省を促した。 昨年、防衛副大臣の James H. Douglas は陸海空軍の大臣らに語った： 「無線周波スペクトラムの使用の増加と軍事目的での放射を生じるデバイスへの依存の増加は、 大きな懸念事項である、無線周波干渉問題をもたらしている。」 彼は無線周波両立性計画の概要を示し、すぐに行動を起こすように命じた。 この計画は、軍が所有する全ての種類の電子機器の「指紋」を取る ――機器のエネルギー放射全てを同定し、 他の機器との潜在的な干渉についてこれらの放射を分析する―― という、極めて野心的な企てである。 そのデータ ――軍は「スペクトラム・シグネチャ」と呼ぶ―― は、 特定の軍施設における RFI の予測での使用のために中央ライブラリに保管される。
Armour Research Foundation of Chicago の民間の RFI 専門家らの指示のもと、 メリーランド州 Annapolis に分析センターが用意されている。 完全に機能すれば、そのセンターは軍用機器の放射の情報全てを 数式にまとめるであろう。 環境内の電気的エネルギー ――民間の発生源全てからのものとともに、敵が出すかも知れない妨害からのものも含めて―― も、数学的に予測される予定である。 その後、分析センターのコンピュータは、 機器が戦闘中にどのように振る舞うであろうかを告げることになる。 最後に、この情報はフィールドで試験される。
軍はこの両立性計画に期待を持っており、 おそらくは過去のどの時に RFI についてそうしたよりも期待している。 コンピュータが干渉を検出した場合、軍は、存在する機器の時分割 ――機器の使用を規定された間隔でのみ許可する―― や、 将来の機器の設計の変更のような手段を通じてそれを出し抜くことを望んでいる。 だが、RFI がいずれ封じ込められると考えることで自分を欺こうとしている責任者はいない。 両立性計画の部分的な成功への障害でさえも大きい。
例えば、もし民間と軍用の機器のあいで周波数衝突が起きたならば、 いずれが優先権を得るのか？ 伝統的には、平時には民間が勝つ傾向にあった。 もう１つの障害は、RFI の性質にかなり不案内だということである。 「我々は分析センターのコンピュータに 無線周波伝搬について何を入れれば良いのかを充分に知らない」 と、ある防衛コーディネータは認める。 「例えば頭上を通り過ぎる航空機や 側を走り去るトラックの上の機器から影響を述べる式を用意するのはかなり厄介である。」 (航空機の無線やその他の電子機器とトラックの点火系は RFI を生じ得る。)
第三の障壁は、その作業そのものの膨大さと複雑さである。 例えば、全ての種類の機器のスペクトラム・シグネチャの取得は、 何千人時も必要とするであろう。 一部の専門家らは、より大きな資金と技師が利用可能とならない限り、 この作業は3年程度を要し得ると予測する。 当面、RFI に対する戦いの民間側の前線は、 それが動いていると言うことができるのであれば、目的なしに彷徨う。 電波の取締り役である、FCC の Field Engineering and Monitoring Bureau は、 その大きな脅威に対処するためには絶望的に貧弱な備えを持つ。 その部署は、苦情に対処し、干渉を追跡し、アマチュア無線の免許を与え、 遭難した船舶や航空機を支援し、その他の形で公衆に仕えるために、 50の州全てで総員 381人に過ぎないスタッフを持つ。 その380人のスタッフのうち50人程のみが、特に違反調査に割り当てられている。 そして、これらの50人の仕事の半分のみが、RFI の抑制に明らかに関係する。
だが、FCC の取締り部隊が5倍や6倍に増やされ、 その増加したマンパワーを容易に使えたとしても、 その機関は RFI の問題を決して解決できないことだろう。 それは単に有効に進めるための力を欠いている。 それは当座しのぎであり、解決ではない。 それは、RFI が発生した後、被害が発生した後でのみ取締ることを許可されている。 その時でさえも、生命や財産への特定の危険が証明されない限り、 往々にして法的機関としてのしがらみにとらわれる。 違反者に彼らの機器のシールドやその他の改造によって干渉を除去させるために、 しばしば甘言で欺き、機嫌と取り、恥じ入らせさえしなければならない。
必要なことは、RFI の管理のための民間と軍部の協調したプログラムであり、 それだけである。 全ての電気／電子機器の設計者らに彼らの製品が 他の機器に干渉するようなエネルギーを開放しないことを確かとさせることを強いる法律の プレベンションコール。 そのような法律は、 製品の販売に先立っての承認された性能基準への適合を要求するであろう。 呼吸する空気の汚染の管理のために自動車産業やその他からの アクションを求めることを強いられたロスアンジェルスのような都市と全く同様、 政府は製造業者に意図しない放射で電磁スペクトラムを汚染しないように 要求しなければならなくなることだろう。
この目標にアプローチするプログラムが、今日、欧州で行なわれている。 例えば、英国、ドイツ、スウェーデン、ノルウェイ、スイス、そしてソビエト連邦は、 電気／電子デバイス ――原動機付自転車の点火系でさえも―― が放射できる不要なエネルギーの量をそれが顧客に達する前に規制する厳格な法律を持つ。 カナダも厳しい法律を持つ。 だが、これまで、議会は米国内での電気機器の設計の法的管理の企てに 通商の侵害であるとして抵抗してきた。 製品を使う人 ――製造業者ではなく―― がその性能の責任を負う。 連邦政府は航空機が飛行を許される前の安全検査の主張については呵責を感じないが、 いつの日か航空機の偶発的墜落を引き起こすかも知れない 電気機器の設計の監視の労は取らないであろう。 国防の立場からは、１つのことは確実である； RFI の問題はより大きな緊急意識を持ってアプローチしなければならない。 RFI に関心を持つ訪問者が、最近、責任を持つ陸軍将校とペンタゴンで話していた。 「ひとつ聞かせて欲しい」とその訪問者は言った。 「もし第三次世界大戦が明日勃発したならば、 この国は無線周波干渉に関して悪い形勢となるだろうか？」 「我々は深刻な問題の中にいる」とその将校は答えた。 伝統は廃れがたく、最大限に自由な企業と文民が軍に優先するという伝統は、 建国者らがそれを採用して以来、この国で健全であることが示されてきた。 だが、懸念を持つ電子専門家らは、 伝統がそれに何か贈り物を与えるべきかどうかを疑問視している。」 彼らが見るところでは、RFI の若干の法的管理に代わるものは 結局のところは劇的な法的管理である ―― 全ての電気／電子エネルギーの連邦政府による独裁的規則。 一部の専門家らは、 重要な宇宙ミッションが予定されている日や国際的危機の最中には特に、 このステップが必要かも知れないと示唆した。 それに気付いている非専門家は少ないものの、 そのような全面的管理のための機構は既に存在している ―― 1951年に制定された Public Law 200 に含まれている。 この法律は、 「戦争や戦争の脅威、あるいは公衆の危険や災害やその他の国家的危機が存在する」 という布告の上で、「任意の無線通信局、あるいは 10kHz から 100,000MHz のあいだの電磁放射を発生できる任意のデバイスを停止させる」 権限を大統領に与える ―― 今日作られている電気機器全ての 99.9% 以上がそうである。 Public Law 200 は、RFI が「公衆の危険」であるという布告によって発動させられ得る。
音楽家がエレキギターをかきならしていた時に 通過する航空機からのメッセージを突然放送し始めたのは、それほど前のことではない。 ある新聞は、その報道に「ギターが交信した！」という見出しを付けた。 勿論その話しをしていたのは RFI であり、 RFI の脅威について多くを知っている人々は 我々全てがそのメッセージを受け入れるべき時だと考える。
(Taken from "EMC Society History" by Dan Hoolihan, in the IEEE EMC Society Newsletter, Winter 2010, pages 32-39, in which Dan describes tracking down the author of "RFI: Invisible Killer", Richard Hatch, which was originally published in the Saturday Evening Post in 1961, http://ewh.ieee.org/soc/emcs/acstrial/newsletters/winter10/RFI.pdf.).
これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を T. Sato が翻訳したものです。 この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。 これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。
Last update: 2011-07-03