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翻訳: T.Sato
風水は、陽の気の利用を通じて運気を向上させることを目指す、 古代中国の建築の配置と設計の思想である。 それは次のように述べることのできる概念の集まりに基づく：
これらの原理と概念の正しい適用は、それに留意した建物で 住んだり働いたりする人々に健康と良いライフスタイルとをもたらすだろう。 風水の目的は、そこで行なわれる活動を助け支えるように、 建物やその他の空間に気を導くことである。 このためには、空間の設計は上で述べた概念に含まれる原則に従うべきである。
EMC 試験の儀式は多くの場所で毎月多くの回数行なわれるが、 特別な宗教的意義に帰することは困難である。 一方、その結果が多くの人の幸福と創造的満足を決めることが知られている。 この理由から、無響室内での活動に風水の原理を適用するのは有用であろう。
もし儀式に際してチャンバー内の気を積極的に利用できれば、 その結果の質は劇的に向上することだろう。
理想的な場所は、左に青龍を、右に白虎を持ち、 南に向いていて後ろの北側で土地が高くなっていて正面が下がっているところである。
無響室はしばしばこれらの点に従っておらず、 従ってその不備を認識していくらかの緩和策を講じなければならない。 もし、移転、向きの変更、そして地形変更という選択肢がなければ、 すぐ周りで適切な調整を行なうことができる。 例えば、チャンバーの建物への通路が陽のエネルギーを過剰に受けているならば、 その経路を流れを遅くするために曲げ、 あるいは垣根、水景、あるいは衝立のような障害物で遮ることができる。 逆に、もしエネルギーの性質が極めて陰であれば (例えば、玄武からの、あるいは近くの湿地からの)、 通路の陽の性質を強めることが示唆される。 これは、通路に照明や動くもの、例えば旗や風鈴を置くことで行なえる。
従って、チャンバーの扉の向き、そしてその外の環境は、慎重に検討しなければならない。 その向きは、自ずとそれを象徴する霊獣の特性を高める。 北向きの扉は不活発な陰のエネルギーを促進し、南に向いた扉は熱と乾燥を呼ぶであろう。 西側の通路は攻撃的で過度に破壊的となり、東側の通路は穏やかで創造的となろう。
通路の性質は、その望ましくない特性を緩和するように調整すべきである。 南面はこの方向からの強い熱を制御するための張り出した木のような 蔭を作るものからの恩恵を受けることだろう。 西の入口は白虎のエネルギーの攻撃的な力を制御する必要があるので、 他の方向よりも多くの曲線、折れ曲がり、そして仕切りを含むべきである。 だが、北の扉についてはその逆が真となる： ここでは、玄武の気の遅い動きを速くするようにしなければならない。 障害があるべきではなく、より直線的な、より直接的な通路が最良である。
西向きの扉は、儀式中の、またそれからの肯定的な結果を 青龍のエネルギーが促進するであろうから、最も幸いである。 この方向では、開かれた、広々とした様相が適当であろう。
楔形吸収体、あるいは先端が隠されたものは、それほど攻撃的ではない； 一方、フェライト・タイルは、滑らかで不安定な全く別のタイプの気を促進する。
これらの考慮は、硬い陽の性質を弱めるために 柔かい陰の形状を含める必要性に注意を向けさせる。 丸い置物や流れるようなドレープは適当であろう。 だが、それ以上に、儀式を和合した形で行なうためには、 チャンバー内の領域のレイアウトはバグア (八卦) を尊重しなければならない。 バグアは空間の「エネルギー・マップ」として考えることができる。 風水にはバグアの適用に関する様々な学派がある； ここでは、西洋風の応用により適したアプローチに集中することにする。 無響室のバグアを定義するために、以下の手順を踏む：
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| Figure 1: チャンバーの扉を基準としたバグア |
さて、その風水と調和させるためにはチャンバー内の領域をどのように配置し、 あるいは補正するのが最良であるかを考えなければならない。 儀式の対象物 (要するに被試験品) はバグアの中心にあるのが自然であろうが、 物理的な制約は大抵はそれを壁に近付けなければならないことを意味する。 もしそうであれば、その最良の位置は、 その場所に集中し、従って物体に突き当たる気が儀式に良い結果をもたらすように、 エリア4、「繁栄／富」となろう。 この場合、測定用かフィールド発生用のアンテナはチャンバー内の対角のエリア6、 「協力者」に行く。 アンテナが敵対するのではなく助けとなる形で振る舞い、 儀式を良い結果へと向けるであろうから、これは都合の良い位置となろう。 逆の配置、すなわち物体をエリア6、アンテナをエリア4とするのは、 それほど効果的ではないだろう。
他の軸 (1-9、8-2、あるいは 3-7) は、さらに良くない。 特に 3-7 の軸は、エリア3、「過去」が 儀式が成功へと向かうのを妨げる負の影響を及ぼすであろうから、避けるべきである。 軸 1-9 は穏当である： エリア1にあって儀式をビジネスライクな方法で行なうアンテナに尊敬されるように、 試験対象物はエリア9に置かれるべきである。 儀式が調査を目的としたものであるならば、軸 8-2 はより良い配置となろう; ここでは、儀式がそれについての知識に寄与するように試験対象物はエリア8に置き、 エリア2のアンテナがその対象物と協力関係を結ぶようにすべきである。
試験対象物も測定用アンテナもないバグアのエリアには、 それらのエリアの周囲の気の流れと調和するアイテムが置かれているべきである。 アンテナと同様、チャンバーの壁や扉は不可避に金属で作られており、 これは補正しなければバランスの崩れをもたらすことだろう。 他の4つの元素 ――水、木、火、そして土―― を適切な位置に加えるべきである。 これらは対応する方角に従って選ぶべきである：
これらの元素は、実際のアイテムかシンボルとのいずれかとして含めることができる。
扉が西に向いているチャンバーを例とすると： 向かい側の壁かその右には、テーブルや戸棚、 あるいは木の置物のような木のアイテムがあるべきである。 左手方向には、金魚鉢や水盤のような水景があるべきである。 土を象徴する植木鉢を、左奥、あるいは右手前の角に置くことができる。 火の本質は (安全性に注意を払って) 右側の壁の赤色か三角の物で表現できる。
試験の儀式でここに置かれる特定のものはないとしても、 チャンバーの中心のエリアは空であってはならない。 この問題の解決は、土の元素を象徴する小さい水晶を中央に恒久的に置くことである； 天井から吊るすことは、儀式の配置の邪魔をせずにそれを置く容易な方法となろう。
まとめると、この例のレイアウトは Figure 2 のように示すことができる。
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| Figure 2: 西向きの扉でのレイアウトの例 |
明らかに、チャンバーの最良のレイアウトは、 その向きや測定軸の特定の向きの実際性を含む、多くの要因に依存するだろう。 これらの原理の履行が、儀式のために必要なチャンバーの特性、 特に正規化サイト・アッテネーションや電界均一性への 測定可能な影響を持つかどうかを見出すためには、さらなる研究が必要である。 気の流れを促進し調和させるレイアウトは、 これらの特性に良い効果を持つことが予期される。
これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を、 その許諾を得て T. Sato が翻訳したものです。 この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。 これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。
Last update: 2010-05-08