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製品安全試験の代替アプローチ
by Chris Baird & Matthew Larkin, TUV Product Service Ltd
翻訳: T.Sato
安全試験は、
CB、NRTL、GS、あるいは CE マーキングなどの様々な認証マークを達成するために、
伝統的に独立した第三者テスト・ハウスによって行なわれてきた。
これ自身が、長いリード・タイム、試験時間の延長、
そして時には不適合に伴うテスト・スロットの再調整の必要性などの
進行中の懸念を生じてきた。
ラボ・ベースでの試験で経験されたもう１つの潜在的な大きな問題は、
再試験に伴うコスト増加の問題と関係しての、
プロジェクトの進行と不適合の発見に関する連絡の欠如、
あるいはさらに悪い場合には、
不適合の後の長いリード・タイムに伴って出荷期日を逸することである。
この記事は、読者に彼らに開かれたラボ・ベースでの試験の代替を示し、
それぞれの代替手段、特に以下のもののメリットをハイライトする：
- Testing at Manufacturer's Premises
(製造業者の構内での試験)
- Witnessed Manufacturer's Testing
(立ち会いのもとでの製造業者の試験)
- Acceptance of Client's Testing
(顧客の試験の受け入れ)
- Supervised Manufacturer's Testing
(監督のもとでの製造業者の試験)
Testing at Manufacturer's Premises (TMP)
ラボ・ベースの安全試験の最も一般的な代替アプローチの１つは、
製造業者の構内での試験である。
これは特に CE マーキングの目的で用いられているアプローチであるが、
CB やその他の形態の安全認証の基礎として用いることもできる。
製造業者が用意しなければならない唯一の実際のインプットは、
試験技術者のための作業場所と適切な電源である。
In-situ 試験技術者は、その他の全てのもの ――その試験所が用意した―― を持ち込み、
校正記録が最新の状態であることなどを確かとする。
この試験の終結の後、典型的には完了と同じ日に、
ドラフトの試験報告書がレビューのために製造業者に残される。
この形の試験へのアクセスも、
短い２ページの TMP 契約書に署名しなければならないだけで、
製造業者にとって容易である。
このアプローチの利点は明白であるが、
典型的にはそれらは以下のように分類できる：
- より短いリード・タイム；
- 任意の不適合に対応することのできる要員がいることに伴い
顕著に低減された試験時間 (典型的には１週間以内)；
- 技術者と顧客のあいだの直接的な対話；
- オン・ザ・ジョブ・トレーニング；
- コンポーネント認定情報の追跡の支援；
- それが発生した時に不適合を修正する機会。
Witness Manufacturer's Testing (WMT)
製造業者が所定の機器と認定を持つと仮定しての、
ラボ・ベースの試験のもう１つの代替は、Witness Manufacturer's Testing である。
このスキームも、CE マーキング、CB、そして製品認証、全ての種類のために使用できる。
この場合、試験は製造業者によって、彼ら自身の試験機器を用いて、
彼らのラボで実施される。
そして、この試験には、テスト・ラボからの in-situ 技術者が立ち会う。
製造業者のラボは、その試験要員の技術評価を含めて、
ISO/IEC 17025 に従って監査されていなければならないであろう。
試験所と製造業者のあいだの折衝のために責任者が任命され、
彼らが製造業者のラボの責任を持つであろう。
CB スキーム証明書が求められるならば、その製造業者は
要求されたならば CB 試験所 (CTL) 能力試験スキームにも参加しなければならない。
試験に引き続いて、in-situ 試験技術者によって試験報告書がまとめられ、
その報告書が肯定的なものであるならば、証明書を求めることができるようになる。
この場合も、試験所と製造業者のあいだの契約書に署名されていなければならないだろう。
このアプローチの利点も明白である：
- 短いリード・タイム；
- 短い試験時間 (典型的には１週間以内)；
- 製造業者と試験技術者のあいだの直接的な対話。
製品安全要求のより深い理解；
- Supervised Manufacturer's Testing (SMT) ステータスへと導き得る。
Acceptance of Client's Testing (ACT)
確立され、成熟した安全試験のプロセスと要員を持つ製造業者に特に役立つ、
ラボ・ベース試験の第３の代替手段は、Acceptance of Client's Testing である。
これは CE マーキングのためには非常に一般的であり、
他の形態の認証のためとしても増加している。
このアプローチでは、製造業者は彼ら自身の試験を、自らの時間で、
また自らの設備で実施するであろう。
試験報告書は製造業者自身の試験要員によって書かれ、
そのラボは試験要員の技術評価を含めて
第三者独立試験所によって ISO/IEC 17025 に従って監査されるであろう。
利点：
- 試験はあなた自身の都合に合わせてスケジュールできる；
- 試験費用の低減；
- 試験所からのサポート；
- 侵略的でない；
- 製造業者に製品認証マークへのアクセスを与える；
- 製造業者自身の試験が第三者試験所によって「裏書き」される；
- 試験結果の広範な受け入れ。
Supervised Manufacturer's Testing (SMT)
おそらく、全ての中で最も柔軟なスキームは、
Supervised Manufacturer's Testing である。
試験は、製造業者によって、彼らのラボで、彼ら自身の試験機器を用いて行なわれる。
この場合の試験報告書は、製造業者によってまとめられ、
その後に、もし満足であれば、試験所によって承認される。
このスキームは、双方の組織からの信頼が高まるにつれて
責任が徐々に製造業者に移される、漸進的なものである。
このプロセスに関して理解しなければならない重要な要素は、
製造業者のラボは、その組織内での利害の衝突が窺われる、
あるいはそれを実際に生じることなく、
他の部署から独立して活動していなければならないことである。
完全な SMT ステータスが得られる前に資格認定フェーズが行なわればならず、
これに関係するステップは以下のものを含む：
他のスキームと同様、試験所と製造業者のあいだの契約書が署名されていなければならず、
それら２つの組織のあいだの折衝のための、またそのラボの責任を持つこととなる
製造業者の責任者を任命する要求によって結ばれる。
このスキームの主な利点は、
CB スキームへの EMC の追加のような認証スキームの更新を含む、
継続的な訓練と支援が試験所によって提供されることである。
その製造業者も、CB スキームの一部として、
要求されたならば CTL 能力試験に参加しなければならない。
利点：
- 非常に早い：
- 非常に柔軟；
- 費用効果が良い；
- 最小のリスク；
- 試験報告書への速やかなアクセス；
- 認証マークと CB 証明書へのアクセス：
- 試験所からの継続的な支援。
ISO/IEC 17025:2005 の概要
国際規格 ISO/IEC 17025 は、試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項を定めている。
ISO/IEC 17025 の主要目的は、試験所が
- 適切な品質システムを運用し、
- 技術的な能力があり、
- 技術的に有効な結果を出すことができる
ことを実証することである。
ISO 17025 はマネジメントの責任とラボの環境内での活動のそれぞれの要素を扱う。
試験所のマネージャと品質責任者は排他的ではない。
この規格は、その機能がラボが生み出すデータの品質に関係するラボの要員全てを扱う。
典型的には、その要求は以下の表で規定できる：
| 管理上の要求 | 技術的な要求
|
|---|
| 組織 | 要員
|
| 品質システム | 施設及び環境条件
|
| 文書管理 | 試験・校正方法と方法の妥当性確認
|
| 依頼、見積仕様書、及び契約の確認 | 機器
|
| サービスや供給品の購買 | サンプリング (該当する場合)
|
| 顧客へのサービス | 試験・校正品目の取扱
|
| 苦情 | 試験・校正結果の品質の保証
|
| 不適合の試験・校正業務の管理 | 結果の報告
|
| 是正処置； 改善 |
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| 予防処置 |
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| 記録の管理 |
|
| 内部監査 |
|
| マネジメントレビュー |
|
ケース・スタディー
背景
あるタブレット PC の製造業者が彼らの製品の欧州連合と北米への販売を望んでいる。
その製造業者は、どのようにすればこれを速やかで効果的な方法で達成できるか？
解決
- 安全と EMC に関して Testing at the Manufacturer's Premises Procedure を提供する
適切な Certification Body Testing Laboratory (CBTL) を選択する。
- 安全と EMC の CB 証明書を入手する。
- 北米市場への速やかなアクセスのために、
CB 証明書と報告書を、直接、あるいは CBTL を通して、
Nationally Recognised Test Laboratory (NRTL) に送付する。
- EU をカバーする CE マーキングのために、
CB 証明書 (適切な CB ナショナル・デビエーションがカバーされたものに基づく)
に基づいて EMC 指令と LVD に対して自己宣言する。
- マーケットが現実化したならば、追加の試験なしに、
CB 証明書を用いて国内認証、あるいは単に市場アクセスが得られる。
典型的なターンアラウンド・タイム
| | ラボ・ベース | TMP
|
|---|
| 試験 (リード・タイムを含む) | 25日 | 5日
|
|---|
| CB 証明書 | 3日 | 3日
|
|---|
| NRTL 申請 | 20日 | 20日
|
|---|
| 合計 | 48日 | 28日
|
|---|
伝統的なラボ・ベースの試験よりも４週間早い可能性がある。
要約
ラボ・ベースの試験の代替アプローチは、製造業者に以下のような機会を提供する：
- タイムスケールの低減
- 専任の技術専門家への特別なアクセス
- プロジェクトへの専心
- コンポーネント認定情報の追跡の支援
- オン・ザ・ジョブ・トレーニング
- それが発生した時に不適合を修正する機会
- 邪魔にならない
- 機器の輸送に伴うロジスティクスの問題がない
- 問題を解決するための試験所への、あるいは試験所からの継続的な移動がない
- 試験プロセスのさらなる改善
- 不適合が生じた時、すぐにその問題に気付き、
ファックスや e-mail を解読しなければならない代わりに我々の技術者と直接議論できる
- それが発生した時に不適合を修正する機会
- あなたのスタッフのオン・ザ・ジョブ・トレーニング
―― 我々の技術者に尋ねる機会
- 試験に関するあなたの知識の向上
- 試験の回数と時間を管理できる
- コストの低減
- 製造業者の時間の節約
- 適合性を速やかに達成するより大きなチャンス
- 機器の輸送に伴う費用を要さない
- 自らの試験を実施する機会
TUV Product Service and BABT are leading players in safety testing
and certification and can offer a full range of lab based or in-situ testing
and certification services.
For more information, please contact them at www.tuvps.co.uk.
Copyright (C) 2006 Nutwood UK Ltd.
これは、EMC+Compliance Journal
に掲載された記事を、
その許諾を得て T. Sato が翻訳したものです。
この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。
これについての意見、質問などは
VEF00200@nifty.com (T.Sato)
宛にお送り下さい。
Last update: 2006-12-31