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翻訳: T.Sato
British Electrotechnical Approvals Board (BEAB) の Quality & Standards Manager である Mike Cowan が、 EN 60335 規格、その複雑さ、 そして最新の規格と該当する修正を追い続けることの重要性を示す。
整合規格 EN 60335 は、 単相の装置においては 250V、それ以外の装置においては 480V を超えない定格電圧の、 家庭用装置 (主に家電品) や類似の電気装置の安全性をカバーする。 さらに、通常の家庭での使用を意図していないものの、 店内、軽工業、あるいは農場における素人による使用を意図した装置のように、 公衆に対する危険の原因となり得るものも、この規格の適用範囲内に入る。
この規格は、一般的なガイドラインを与える Part 1 と、 製品固有の、個々の製品に対する特定の要求の勧告を与える 一連の Part 2 とに分けられている。 家庭用や類似の装置に適用され得る以下の欧州指令の必須安全要求は、 EN 60335 シリーズでカバーされている：
最近では、安全水準に対する公衆の期待は著しく高まっている。 これは、しばしば複雑なものとなる、欧州安全規格群の内容の増大をもたらしている。 製造業者は、 新しい規格やそれらの規格に対する修正の発行を常に追い続ける必要がある ―― これは、彼らのポートフォリオに何百個もの製品を持つ企業にとっての 地雷源となり得る。 毎年多くの規格が発行されており、それぞれの規格に対して公表される 失効日 (date of withdrawal; DOW) を知ることは重要である。 この DOW は、上記の指令に対する適合性の推定を維持するためには、 製造される全ての製品が 新しい規格、あるいは修正に従わなければならなくなる日付である。
従っていない製品は、実質的にその DOW に適合性の推定を失う。 近年、修正を製品に取り込むのに許される時間は著しく切り詰められている ―― 欧州における平均的な DOW は 発行日 (date of publication; DOP) の２年後となっているが、 以前は平均５年であった。 この DOP は、それぞれの欧州連合加盟国が 新しい規格や修正を発行しなければならない日付である。 ２年は、製造業者がその規格や修正を評価するために 妥当な期間であるように聞こえるかも知れないが、 これが生産を継続する製品のみではなく 開発中の製品にも影響することを考慮しなければならない。 これは、その規格や修正が実際に予定通りに発行されることも仮定しているが、 常にそうなるとは限らない。 2001年中に、EN 60335 シリーズでは 40個の規格や修正が発行され、 この期間内に 24個の失効日が通知された。 既に、22個の失効日が 2002年と通知されている。 製造業者の CE マーキング宣言が有効であり続けること、 そして究極的には彼らの電気製品の使用が安全であることを保証するためには、 これらの変更は極めて密着して追い続ける必要がある。
EN 60335 のような安全規格に追従し続けることの重要性は、 トースターの表面温度に関係する UK における事例で例証された。 この事例の帰結は、UK が欧州委員会に対して 規格 EN 60335-2-9(96) を修正する必要があると宣言することとなった。 この結果として、欧州委員会は この規格が低電圧指令の全ての必須要求を適切に扱っていないことを認め、 これはその規格の修正 A11 による変更をもたらした。
この結果として、トースターの製造業者は、以前は限度がなかったところを、 その外面の温度上昇を 90K に制限しなければならなくなった。 公式な発行日 (2001年 1月 1日) のすぐ後に、2001年 9月 1日という失効日が続いた。 この修正の素早い導入は、消費者の安全を保証するために必要であった。 この事例は、「たとえそれが整合安全規格に従っているとしても、 規制 (電気機器安全規則 1994) のもとにおいて、 製品が安全でないと判断され得る」こともハイライトした。 製造業者は、彼らの製品が該当する欧州指令の要求に合致することを保証するのは 彼らの責任であること、そして、より重要なことであるが、 廃止された規格への適合性のみに基づく CE マーキング適合宣言書は 指令に対する適合性の推定を与えないことに注意すべきである。 そのような宣言は、法廷で用いることはできないだろう。
製造業者が EN 60335 のような規格にかかわる複雑さに対処することを助けるために、 BEAB は彼らの製品の認証状態に影響し得る規格の失効について勧告する 早期警告システムを開発した。
このシステムを用いて、BEAB は失効日に対する１年前の警告を与えることができる。 製品毎に管理することで、これはそれぞれの製造業者が 失効日の前にその変更をどのように扱うかを決定できるようにする。 認証の更新は、ファイルされた記録の軽微な修正と認証証明書の再発行、 該当する規格に合わせた限定された再試験、 そして、場合によっては、その規格に対する変更がそれを必要とした場合には 完全な再試験までの相違が有り得る。
これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を、 その許諾を得て T. Sato が翻訳したものです。 この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。 これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。
Last update: 2002-01-16