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翻訳: T.Sato
このプロジェクトは８人の欧州の EMC 専門家の協力のもとに行なわれ、 National Physical Laboratory の Martin Alexander がその調整を行なった。
悪化している周辺 RF 干渉に面している OATS における試験が 測定の不確かさの増大を生じており、従って所要時間が増加し、 よりコストを要するものとなっているという認識の増加がある。 これは、場合によっては 10m 半無響室の使用へと導いた。 しかし、そのような施設は実に高価である。 10m SAR は、3m FAR よりも少なくとも４倍は余計にコストを要する。 従って、この目標は、明らかに低コストの 3m FAR のための 許容放射性エミッション限度を定めることであった。
請け負われた作業は、一連の理論的な、そして実験的な研究から構成された； 試験によって裏付けられたモデリングとシミュレーションのプログラム。 OATS、SAR、そして FAR を含むテスト・サイトで、 様々な種類の被試験装置 (EUT) の比較が行なわれた。 それらの EUT は、実際の装置に酷似し、かつ安定であるように特に設計されており、 従って様々なテスト・サイトにおける結果の一貫性を保証する。 参照の目的で、モデル化された「理想的な」OATS でいくつかの試験が実施された。 モデリングは、さもなくば非現実的なものとなったであろう、 EUT のさらに多くの変種を調査できるようにもした。 この作業は、吸収材の品質の改善と、 必要となる RF 吸収材 (RF absorbing material; RAM) の量の双方に関する 研究も含んだ。
この調査の理論的な部分の目的は、 OATS と FAR とのあいだでの測定値の差を定量化することであった。 双方における模擬 EUT の試験結果は その２種類のサイトでの同一の合格率を保証する限度値を定めるために比較される。
この研究から生じた大きな論争の１つは、アンテナが試験距離の半分の長さとなる、 3m サイトにおけるハイブリッド・バイコーン／ログ・アンテナの使用であった。 サイト評価はより良い精度を与えると考えられる 独立したバイコニカル、及び対数周期アレイを用いて測定できたが、 これはサイト評価とエミッション試験の双方に 同一のアンテナを規定している規格と矛盾する。
今はよく知られているケーブルの配置という問題もある程度扱われた。 より多くの実際的な経験が得られるまで、 フェライト・クランプの使用は検討中のままに残される。 その空間外のケーブルに単にクランプを取り付けることが 満足なものであるとは証明されなかった。 空間内のケーブルは、多くの位置の最大となるように調整されるか、 あるいは望ましくは 共振による相殺の効果的な除去のための終端の素早い変化の達成のために 切り替え可能なクランプ式フェライトを用いて電気的に切り替えられる べきであると結論された。
この研究は FAR に関連した時間の節約のさらなる可能性を同定した。 これは、グランド・プレーンの不在が 高さのスキャンの必要を除去するというものである。 400MHz 以上でのエミッション試験は、製品の高さに依存して、 １つよりも多くの高さを必要とし得ると認識されていた。 一般的な感覚は、1.2m の高さの製品のためには 0.35m 離れた２つの高さで充分であろうというものであった。 しかし、関係するサイト評価を２つの高さで行なう必要があるかという疑問は残る。
一般に、そのプロジェクトは、FAR 内で 3m で行なわれた測定結果と 10m OATS のものとのあいだのかなりの一致を明らかにした。 最悪の結果は 3m SAR において発生したことが示された。 使用できる場所がない場合には 3m FAR は 10m OATS よりも低コストであり、 また 10m SAR よりも著しく低コストであった。 さらに、いかなるコスト比較も、その FAR を 変更なしにイミュニティ試験に使用できるという事実を考慮すべきである。 コスト比較はその出費のみによって行なうべきではない ―― 著しい節約は運用コストによって生じ得る。 例えば、周辺干渉がないことによる測定時間の低減と測定の反復の回避。 時間の節約によって、予備適合施設を省略して 全面的な適合性試験に直接進むことが可能かも知れない。
prEN50147-3 の研究からもたらされた 既存の EN50147-2 に対する著しい改善は、次の点を含む：
このグループは、 0.5dB 以内の正規化サイト・アッテネーション (NSA) の測定値を得るためには 非常に良い 10m OATS が望ましく、 現時点でこれを小さい 3m の部屋で達成することは 特に 150MHz 以下では不可能であると結論した。 より良い吸収材がないことから、部屋の寸法は大きくしなければならないだろう。 これは、将来、FAR の真の利点が 完全に認識された時には回避されるかも知れないと考えられたが、 それは 4dB という既存の NSA 要求の緩和に依存するであろう。 別の可能性は、製品の寸法に依存して、 150MHz 以下でのチャンバー補正係数の使用を許すことである。 これらの制限内で、3m 全無響室は、10m SAR や 10m OATS と比較して 柔軟で比較的低コストの EMC 施設を提供する。 高レベルの不確かさのために、OATS と SAR のいずれでの 3m の距離での試験も 可能な代替であるとは見倣されなかった。 EN50142-2 の要求に対して評価された FAR が この研究で同定された利点の大半を除去するであろうことは直ちに明白である。 3m FAR を受け入れられるようにし、 またそれに伴うコストの節約が享受されようにするためには、 prEN50147-3:2000 の勧告と示唆された制限は好意的に調査する必要があるだろう。
前回の 7月 9日の CENELEC SC210/A/WG4 の会合で、 EN50147-3 を技術報告書として発行することが決議された。 この文書からの要約が、2003年に発行できるようになることが期待される、 CISPR 小委員会 A で策定されている規格の基礎を形成する。
これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を、 その許諾を得て T. Sato が翻訳したものです。 この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。 これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。
Last update: 2002-02-03