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R&TTE 指令に従うべき時が来た

by Ken White, British Standards Institution

概要

決断の時だ。 2001年 4月 8日から、EEA 内の市場の全ての無線、及び通信端末機器は、 R&TTE 指令 (RTED) に適合しなければならない。以前の TTE 指令の元における通信機器の認証は、もはや有効ではない。

無線送信機器のための国家認証も、もはや有効ではない。産業界は、2000年 4月 8日に始まった移行期間から、静かなままであった。製造業者から BSI の Technical Information Group への、 R&TTE 指令の元における彼らの責任を知りたいという支援要請は、少なく、散発的なものであった。彼らは、依然として旧体制からの認証の元に彼らの製品の販売を続けるという選択肢を持っていた。実際、多くの認証当局では、それ以降は認証が認められなくなる 2000年 4月以前に認証を得ようとする活動による混乱があった。認証がもはや要求されないとしても、古いものにおける信頼が遥かに望ましいと多くの人に感じられるように、その新体制は未知のものである。

発展中の体制

EMC 指令が最初に現れた時のことを憶えているだろうか？答えられなかった実に多くの質問：尋ねられさえしなかった実に多くの質問！それと共に用いる規格さえなかった。それは発展中の体制であった。それは明らかになるのに数年を、その困難が除かれるのに数年を要した。今、我々は発展中の R&TTE 体制に直面している。その後、CE マーキングを必要となった時に、 BSI TIG は、LVD と共に EMC 指令に関する問い合わせで飽和状態となった。

これまでに、我々は何を見たか？ RTED にリンクする最初の一群の規格は 2000年 4月 7日の EC OJ に現れたが、それから現れたものはない。同時に、電気製品の安全性に関する低電圧指令、そして EMC 指令にリンクする全ての関連規格が、RTED にもリンクされた。

機器の初期の分類のために委員会決議が出された；国によって特別な制約が課された無線機器のための「警告」マーク ―― 様式化された感嘆符；フランスの PSTN (公衆交換電話網) 機器は、 2002年 10月までは現在の限度を持ち続けるであろう；緊急サービスへのアクセスの提供のための特別な必須要求が、内陸水路の無線電話と、ある種の海上船舶の無線通信機器のために出された。アバランシェ・ビーコンのための緊急サービスへのアクセスの提供のための同様の決議がすぐに予期される。

EC 委員会と TCAM

TCAM (Telecommunication Conformity Assessment and Market Surveillance Committee) は、産業界の裁定組織である。それは EC 加盟各国の代表を含んでおり、EC 委員会からの代表が議長を務めている。 TCAM は、RTED によって生じた問題の多くに対する回答を与えようとしている。彼らの役割は、EC 委員会にアドバイスし、提案を行なうことである。委員会は、TCAM の見解を「最大限に尊重」しなければならない。しかし、彼らは、年に４回程度しか集まらない。 TCAM は、例えば整合規格に関連した勧告決議や、特定の製品のための追加的な必須要求の発行のような規制決議を行なえる。

EC 委員会は、この指令の運用に関するプログレス・レポートを 1999年 10月頃に作成する予定であった。これはまだ現れていない。これは、それを価値があるものとするだけ充分に進捗していないためかも知れない。そのレポートは、実施の過程で発生した問題を含むであろう。おそらく、報告すべきものが充分にないあいだは待っているのが有益であろう。製造業者が最も興味を持つ、どのような種類の問題があるだろうか？１つは、確実に適合宣言書 (DoC) の必要性である。他の EC 指令群と同様、製造業者か EC 内の任命された代理人は、 DoC を作成しなければならない。しかし、他の指令とは異なり、RTED は DoC が何を含むべきかを示していない。さらに、ユーザーには「必須要求に対する適合性の宣言」を提供しなければならない。これまで、製造業者によっては、それが要求されていないにもかかわらず、他の指令のための DoC をユーザー向け文書と共に提供してきた。それが規定されたとしても、困難は生じないだろう。この主題全体は、TCAM での多くの議論の源となってきた。いずれ、何らかのガイダンスが EC 委員会から出されそうである。当面は、あなたは何をすることに決めるだろうか？あなたは待つことができるか？信頼できる筋からの非公式な勧告が入手可能である。

キットは、もう１つの懸念の源である。アマチュア無線家によって組み立てられるコンポーネントのキットは商品として入手可能な機器であるとは見倣されず、この指令ではカバーされない。この指令は、アマチュア無線家についての ITU の規定を参照している。他の種類のキットや他の種類のユーザーについてはどうか？学校の子供達についてはどうか：彼らは、彼らの機器に電源を入れる前に適合性評価手続きに従う必要があるのか？

TCAM が取り組んできた他の問題は、「機器」の定義、DoC の署名者が個人的に責任を持つか、製品のラベルは何を含む必要があるか、EC 内での使用が意図されていない機器、緊急サービスのための警報システムの使用、などである。

EC 指令と欧州諸国

EC 委員会は、 EC 加盟国がそれらを国家規制で履行することになる EC 指令群を作成する。それらは、ノルウェー、アイスランド、及びリヒテンシュタインの、 EU 外の EEA 国家でも履行される。まだ RTED を履行していない主要国家があるが、この指令は既にそこでも拘束力を持っている。スイスは、EEA 外にあるにも関わらず、この指令を履行している。以下の東欧諸国も、この指令の履行の準備をしている：ハンガリー、チェコ共和国、スロバキア共和国、及びエストニア。 EC 指令群は、その適用範囲に入る製品のための単一市場を提供する。これが意味することは、もしある製品の販売が１つの国で認められるならば、その販売は他の全ての国でも認められる筈だということである。

時は来た

移行期間が終了する 4月 8日からは、事態はホットになりそうである。製造業者は、これらの困難に真剣に向き合わねばならなくなるだろう。 TCAM での国家間の合意、あるいは EC 委員会からの圧力によって問題が解決されたならば、事態はより明確になり、公式なガイダンスが入手できるようになるであろう。しかし、それは事態が容易なものとなることを意味するだろうか？そうとは限らない。場合によっては、これは製造業者にとって事態をより困難なものとする結果となり得る。

RTED とそれが規制する機器に関しては、 2001年 4月 8日には実際に何が起きるのだろうか？ RTED が最初に発効した 1999年 4月 8日にも、移行期間が開始された 2000年 4月 8日にも、世界は終らなかった。望むらくは、2001年 4月 8日の夜明けも無事に見ることだろう。 RTTE 製品が RTED に適合しなければならなくなるのは確かである：既存の認証はもはや受け入れられなくなるであろう。執行は国ごとに異なるであろう。 UK においては、通信端末機器に対する責任は Trading Standards が、無線機器に対する責任は Radiocommunications Agency が持つ。不適合製品に対する措置が取られるまでにはしばらく要するかも知れない。当面は、もしあなたが製造業者や輸入業者であるならば、あなたの責任が何かを把握しておくことは勧告できるだろう。もしそれを行なう自信がないならば、あなたが選んだフィールドで将来出会うであろうものに直面する自信を得るために、参照資料の入手先や、あなたの特定の状況に対する助けが得られる場所を知るべきであろう。

R&TTE 指令のカレンダー

1999年 4月 7日 ―― 長い困難な作業の後に、R&TTE 指令が EC OJ で公表された。
2000年 4月 6日 ―― 機器の初期の分類、及び「警告」マーク。
2000年 4月 7日 ―― 加盟各国は指令を実現しなければならない。
2000年 4月 7日 ―― 最初の整合規格のリストが OJ に。 LVD と EMC 指令に関してリストされた規格の適合性の証明のための使用も可能となる。
2000年 4月 8日 ―― R&TTE 指令の発効。移行期間の開始：古い認証は依然として受け入れられるが、新体制が使用可能。
2000年 6月 8日 ―― フランスの PSTN 機器は 2002年 10月まで現在の限度を持つ。
2000年 10月 21日 ―― 内陸水路の無線電話と、ある種の海上船舶の無線通信機器のための、緊急サービスへのアクセスの提供のための必須要求。アバランシェ・ビーコンのための緊急サービスへのアクセスの提供のための必須要求がすぐに予期される。
2001年 4月 8日 ―― R&TTE 指令の移行期間の終了：認証はもはや受け入れられず、R&TTE 指令に従わなければならない。

Ken White has been a Senior Technical adviser in the Technical Information Group at BSI's head office in West London for the past eleven years. He provides help to manufacturers on meeting legal responsibilities for their products. As an electrical engineer, he specialises in electrical and electronic products, particularly R&TTE. BSI have been providing a Technical Help to exporters service for more than 30 years. Ken can be contacted on 020 8996 7472

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これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を、その許諾を得て T. Sato が翻訳したものです。この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: 2002-01-11