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RTTE 認証の頭痛を取り去る

by Harry Shutt, Technical Director, HBT

概要

RTTE 指令の公式な手続きと技術的な意味の理解は重要である。それは、既存の体制からの著しい変化である。しかし、我々は平衡感覚を失ってはならない。基本的な目標は、接続された製品が安全で干渉の心配がないことを保証しながら、認証ルートを単純化することである。認証の単純化は、設計者や製造業者にとって、そして、より速やかでコストの低いものとなる筈であることから、結局はエンド・ユーザー顧客にとっても良いことの筈である。

しかし、ネットワークに接続された際に製品が満足に動作することの保証も、全ての人の関心に含まれる。目的への合致性に関連する消費者保護法の結果としての訴訟の可能性を考えるまでもなく、明らかに、信頼性の欠如、返品の多さ、そして顧客の不満は避けねばならない。

テスト・ハウスは、手続き的要素に従い、設計上の問題を含めた問題の解決のための予防的アプローチを用い、製品が指令に適合するのみではなくその目的に合致する ――様々な条件の元で正しく機能する―― という自信を供給チェーンに与える試験を実施することによって、製造業者に RTTE 指令への適合のための痛みのない道筋を示す必要がある。

現在の認証

現在の認証要求は整合規格に基づいているが、整合規格が存在しない場合にはその種類の製品のための国家規格の条項に対するものとなる。従って、例えば、電話機やコードレス電話 (CT0) は以下の規定を用いて認証されるであろう：

EMC 指令 89/336/EEC
低電圧指令 (LVD) 73/23/EEC
CTR 38 ―― 有線電話の通話品質
CTR 37 ―― 有線電話のネットワーク接続認証
CTR 21 ―― CT0 のネットワーク接続認証
MPT 1384 ―― UK CT0 のための無線 ―― 整合規格ではなく、国特有である

この認証ルートで強調すべき点は、製造業者は製品を市場に置く前に通知機関、及び／もしくは認証を受けたテスト・ハウスでのその製品の試験を受け、合格していなければならないことである。これは、その製造業者に、その製品が試験され、責任機関によって認証されたという慰めと自信とを与える。

RTTE 必須要求

RTTE 指令の目的は、無線、及び TTE 製品の EU 内での自由な移動に対する、規制による障壁を除去することである。この新しい RTTE 指令に適合する製品は、全ての加盟国への自由なアクセスを得るであろう。ここでの例外は、例えばあるコードレス電話の無線帯域が他の加盟国で採択されていない場合である。

RTTE 指令に従うためには、製品は次の条件を満たさなければならない：

EMC 指令 89/336/EEC の必須要求に従うこと
低電圧指令 (LVD) 73/23/EEC に従うこと (ただし電圧限度は適用せずに)
(無線機器については) 地上／宇宙無線通信に割り当てられた帯域、及び軌道資源を、有害な干渉を生じないように効率的に使用するように構成されていること

要するに、この変更は何を意味するのか？

製造業者は、もはや製品に対する必須の第三者型式認証を得る必要はなく、製品が適当な整合規格に従っていると彼ら自信が納得することに基づく自己確認に頼ることができる。
製造業者は、もはや指名されたテスト・ハウスを使う義務はない。
製品は単純化された必須要求に適合しなければならない ―― EMC 指令、及び LVD。
無線機器を含む。

適合性評価

Annex II ―― 内部生産管理。社内、あるいは第三者で試験する。通知機関による試験が不要であり、工場の認証が不要であることを意味する、製造業者の適合宣言書。
Annex III ―― 無線機器用。内部生産管理、そして、もし整合規格がないならば、通知機関に照会した必須の試験の実施。
Annex IV ―― レビューのために通知機関に提出された技術構成ファイルに基づく。
Annex V ―― 製造業者が設計、製造、及び最終製品の検査と試験のための認証を受けた品質計画を運用している場合の、総合品質保証。

取締り

現在の EMC 指令の取締りの範囲は、国ごとに異なっている。国によっては検査は限定されており、苦情に主導されるものであるかも知れないが、他では公認ラボでの監査試験が実施されている。

RTTE 指令での取締りの権限は、EMC 指令のそれと似たものとなることが予期される：

販売されている製品の購入と、引き続いての試験
住居以外の構内への立ち入りの権限
疑わしい機器の差し押え
製品文書の検査
禁止通知の発行

要約

今、その重荷は、彼らの製品がこの指令に従っており、かつ EU 加盟国以外の国家要求に適合していることを保証する製造業者のもとにある。もし、ドイツ、もしくはフランス、もしくはイタリア、もしくは ‥‥ で販売されるのであれば、製造業者は、その製品があるネットワーク環境で正しく機能するであろうという自信を、試験を行なうことなく持てるだろうか？結局のところ、製品は依然として目的に合致しなければならず、そして ――忘れないこと―― 顧客を満足させねばならない。

この指令が必須の電話性能試験を含んでおらず、非良心的な供給者が安物の製品で市場を溢れさせる結果となり得ることから、大きな懸念が持たれている。それらの製品は、あるネットワーク環境では動作せず、劣悪な通話品質を持ち、あるいは極めて信頼できないかも知れない。しかし、良質の製品の良心的なディストリビュータらは、それらが EU 加盟国内の全てのネットワーク環境で動作することを保証するために、それらの製品が認められた規格に適合することを自ずと望むであろう。彼らは、供給者らに、それが認められた規格に適合することを証明するように求める自由を持つだろう。現在の必須の認証要求 ――CTR 21、CTR 37、及び CTR 38―― は、その製品が目的に合致することを製造業者／供給者がディストリビュータに証明するための認められた方法として使用できるだろう。

HB Technologies と協同している SGS IEA (SGS-HBT) のような、一部のテスト・ハウスは、製造業者／供給者に、 RTTE 指令の導入以降の彼らの電話製品への CE マークの適用に慰めと自信を与えるであろうサービスを提供できる。そのテスト・ハウスは、RTTE の必須要求に加えて、適当な電話に対する必須でない要求である CTR 21、37、38 (あるいは彼ら自身の規定) に対して製品を試験し、その後に製造業者／供給者に適合性を示す証明書を発行するであろう。これは、市場に置かれたその製品が評判の良いテスト・ハウスで試験されており、指令の必須要求に適合するというのみではなく、認められた全欧州の性能／ネットワーク接続要求に適合している (それを証明できる) ことを製造業者／供給者が知るという慰めを持ち、懸念の一部を除き得る。

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これは、EMC+Compliance Journal に掲載された記事を、その許諾を得て T. Sato が翻訳したものです。この翻訳については、原著者らはいかなる責任も持ちません。これについての意見、質問などは VEF00200@nifty.com (T.Sato) 宛にお送り下さい。

Last update: 2002-01-12